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10・28タッグ&11・8シングル… ジュニア2大タイトル戦を控えた 原田大輔&小峠篤司インタビュー

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独特の距離感の中にある「信頼」と「信用」

 

10・11エディオンアリーナ大阪第1競技場大会で3年10ヵ月ぶりに桃の青春タッグを再結成し、小川良成&HAYATAからGHCジュニアヘビー級タッグ王座を奪取した原田大輔&小峠篤司。

その初防衛戦が10・28後楽園ホールでFULL THROTTLEのYO-HEY&吉岡世起を相手におこなわれる。

そこで直前インタビューとして、タイトル戦に対する意気込みはもちろん、どんな思いでタッグ再結成に至ったかを本人たちに聞いてみた。

 

あの時、右手を差し出した

自分も驚いた(原田)

 

――先ほどまで小峠選手は28日より発売されるオフィシャルプログラム用に単独で話していただいたので、こちらでは原田選手の方が多く話すことになると思われますので、よろしくお願いします。まず、3年10ヵ月ぶりのタッグ再結成でこうしてベルトを獲るという実績をあげることができたことに対するお気持ちからお聞かせください。

原田 獲った時は嬉しさや喜びというよりも、これからという気持ちの方が強かったです。これからこのベルトの価値をどんどん高めていこうという意識がより強まりました。

――以前に2人で獲ったのを思い出す懐かしさのような感覚はあったんですか。

原田 そういうのはなかったですね。この3年10ヵ月の間にもいろいろいろあったので、懐かしいというのではなかったです。それよりもやっぱりこれからという方に気がいきました。新しいノアじゃなく、これからのノアジュニア。僕らは別に新しくはないんで、新しいっていうとちょっと違うんで、これからのノアですよね。

――小峠さんは?

小峠 獲れたなー、みたいな。

――あっさりしていますね。

小峠 自信がありましたし、あとは思い切った行動をしたんで奪取した時はちょっとホッとはしましたよね。ちょっと…ね。これで獲れなかったらなかなかカッコ悪いじゃないですか。

――あそこで獲れなかったらまた元に戻っていたのか…。

小峠 想像にお任せします。

――9・23後楽園で原田選手から右手を差し出された瞬間、小峠選手はいろいろなことを考えた結果、その手を払う意味がわからないので握り返したそうです。先に手を出した原田選手はどんな思いだったのでしょう。

原田 あれは無意識です。出した自分もちょっと驚いていました。右手を出した時に(小峠も)引こうとしなかったから、握手した時にこれはいけるなと思いました。自然とこうなったんでしょう。

――お互いに深く考えての行動ではないだけに、自然という言い方が一番合っていることになります。

原田 いまだに僕自身もわからなくて、不思議な感覚がまだ残っている。なんであの時に右手を差し出したの?と聞かれてもわかんないですから。ただ、組むことが目的ではなかったんで、僕らはこれから先を見せていかなければならない。

――「助けてくれてありがとう」ではなく「これから組んでいこうぜ」という思いによるものだったんでしょうね。

原田 最初は、ありがとうという気持ちは一切なかったんです、あの時。「何しにきたんや?」でしたから。

小峠 だろうなとは思っていました。

――両者ともに意図していなかったのに、こうなるというのもすごいですよ。

小峠 ずっと何年間もこんな感じで、お互いのことを意識しないでやってきていますからね。

原田 お互い意識していないっていうのは、そうじゃないですか。この3年間、お互いあまり見ていなかったと思うし。何なんですかね? これを言葉で表すのは難しくて、一番当てはまるのはどうなろうとも、それが自然としか言いようがない。こうなるまでは(組むことは)二度とないと思っていましたから。

――それが自分の思っていた自然な形だと。

原田 そうそう。

小峠 それは俺も思っていたな。

――そこは共通しているんですね。

原田 3年10ヵ月前に納得がいかなかったというのが残っていましたから、また同じことをしても…という気持ちがあったので、ないなと。

小峠 あれに限らず何か行動する時って全部言っていないんですよ。東京へ出る時も言わなかったですから。

――そういうものですか。

小峠 なんで言わないといけないんですか。

原田 (ヘビー級に)いく分はいいと思うんですよね。自分の中の変化とか何かを求めて行動するのはいい。ただ、タッグとシングルのベルトを返上してまでいくというのは、僕としてはジュニアの価値を落とされたという気持ちが強かったんで。

小峠 そこは方向性の違いです。

――そこは説明していい形で別の道を…とはならなかったんですね。

原田 いや、説明されたとしても僕の方が納得しなかったと思うんですよ。今にして思うと、説明されないままいってもらった方がよかったかなと思うぐらいで。

小峠 なんでもそうなんですけど、あとづけの説明って好きじゃないんですよね。カッコ悪いじゃないですか。それで(いい)結果が出ればいいし、出なかったらカッコ悪い。ただそれだけなんで。

――その小峠選手がジュニアに帰ってきた時はどう思ったんですか。

原田 んー、特に何も思わなかったですね。ノアのツイッターで見て「えっ」と思って終わり。

――それで闘うことになったんですが、その中での手応えは…。

原田 なかったですね。あの時は早く(小峠との闘いを)終わらせたいということしか考えていなかったです。

 

FULL THROTTLEに対しては

チャンピオンらしい試合をするだけ(小峠)

 

――そんな2人がまた組むというこの不思議とも言える現象を第三者的な視点からはどう見ますか。

小峠 これが他人やったら、だいぶおかしいと思いますよ。でも説明のしようがないですよね、これ。

原田 タッグチームって仲がいいというイメージがあるじゃないですか。でも、こういう関係性があっても面白いんじゃないかなっていうのはありますよね。これが自分以外の誰かがやっていたら、そんな2人がこれから何を見せてくれるのかという見方ができる。

――以前も普段はほとんど行動をともにすることがないとか、控室でも喋らないと言っていましたよね。今も目を合わせていないし。

原田 これがちょうどいい距離感。

小峠 なんでそんななの?ってメチャクチャ突っ込まれるんですけど、わかんないですよ。漫才コンビでいつも一緒に飯食っている人たちなんてあんまいないと思うんです。それと同じですよ。

――ほかにそういう距離感の人はいるんですか。

原田 いないんじゃないですかね。

小峠 会ったことないですね。ほかの人だったら喋りますもん。談笑っていうやつですよ。ああ、挨拶はするなあ。おはようとお疲れさんは。

原田 するする。

小峠 仕事として割り切っているといったら淡白じゃないですか。リング上ではキッチリやるし、感情もありますし。そもそも距離感ってなんや?って思います。

原田 まあ、縮まることはないな。

――でも、リング上だとあんなにうまくいくんですね。

原田 そこはアレじゃないですか。リングに上がったら信頼しきっているというか。わかりますからね、何がしたいかとか。その波長は前と変わっていないんで。

小峠 僕は信頼というよりも信用ですかね。気持ち的に安心はします。(原田が)劣勢になっているところでも、この状況やったら自分で打破するやろなって感じられるんで。

――そんなお二人の初防衛戦の相手はFULL THROTTLEです。

小峠 ベルトを獲ってチャンピオンになったからには挑戦者が来るのは必然ですから、そこはどんなチームが来ても同じ姿勢ですよ。そこ(相手がYO-HEY&吉岡世起)に特別な感情は持っていないですね。

――それはむしろ向こうにあるでしょうね。

小峠 あるでしょうね。でも、キッチリ防衛するだけです。

――揉めたことに対するケジメをつける場とは考えていない?

小峠 揉めた原因…揉めてんですか? そこはチャンピオンらしい試合をするだけです。

原田 僕もYO-HEYに裏切られているんで、そこはケリをつけなきゃいけない。YO-HEYに関しては2回目ですからね。

――RATEL’S解散から一人減り、また一人減りとなって寂しくなかったですか。

原田 寂しいっていったら未練がましくなるじゃないですか。裏切るよりは、裏切られる方が誰も傷つけずに済みますから。あの時はムカつきもありましたけど、今は行動を起こしたからには何かを見せてみろよって思います。僕自身、モノ足りなかったら終わらせる。誰が来てもこっちは宮脇も入れた3人でやっていくだけなので。宮脇には僕ら2人よりもインパクトのあるものを残してほしい。原田&小峠の付き添いのように見られたらあいつも終わりだろうし、どんどん自己主張して、もう若手じゃないんだぞというのを発してほしいですよね。

小峠 同じです。今、全部言った。もう新人というキャリアじゃなくなってますからね。もっと好きにやれよと。

――桃の青春とは別に3人のユニット名をつける考えは?

原田 いや、ノアジュニアとしてですから、言ってみれば正規軍。ユニットはもういっぱいあるんで、つける気持ちはないです。

――それから原田選手は11・8後楽園で鈴木鼓太郎選手のGHCジュニアヘビー級王座に挑戦します。

原田 タッグからシングルと続くんで、これは両方獲らなければと思っています。タッグの方をこうやって復活させて、その流れで獲れなかったら終わり。わかりきっていることですけど(鈴木は)毎回防衛戦でスキのない闘いを見せてきているんで、そこを崩したいっていうのはありますよね。

――鈴木選手がノアに戻ってきた時もタイトルを懸けて闘いましたが、その頃よりもレベルアップしていると感じますか。

原田 レベルがアップしているというよりも、より深さを見せているなというイメージですね。2冠というのは意識していなくて、一つひとつを大事に闘ってしっかりと守って、そして獲って。

小峠 僕はベルトって、絶対的な価値だと思っていて、その選手を上げるもの。だから興味があって当然だし、ノアジュニアを作り上げる上で大事にしていかなきゃならないものだから、タッグであってもシングルであっても常に狙うべきものです。僕も、シングルの方も意識しています。

 

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