ニュース

【武藤戦へヒザ攻めに迷いなし 「“マサ"の二文字貫き続けた結果みせたい」 GHCヘビー挑戦・マサ北宮インタビュー 】

インフォメーション
2021.04.08

 4・29名古屋大会でマサ北宮が武藤敬司の持つGHCヘビー級王座に挑戦する。

 

 早くから頭角を現しながらも、ここ数年はあと一歩が突き破れずに結果を出し切れぬ日々が続いた。それでも師匠・マサ斎藤さんから受け継いだ“マサの魂"を貫き続け、3・7横浜武道館大会では杉浦貴を監獄固めで正面突破。GHCタッグ王座を奪取し、余勢を駆って武藤に挑戦状を叩きつけた。

 

 今まで武藤との接点は皆無に等しい。だが、“マサ斎藤"という大きな共通項がある。武藤にとって斎藤さんはアメリカ修行時代から慕う心の師。斎藤さんの告別式で弔辞を読み上げたのは武藤だった。

 

 そして北宮は斎藤さん最後の直弟子。結果が出ずとも斎藤さんの代名詞“GO FOR BROKE"の精神を貫き続け、ようやく手繰り寄せたGHCヘビー挑戦の舞台で立ちふさがってきたのが、斎藤さんの香りをまとう武藤。数奇ともいえるシチュエーションで大一番に向かう北宮に、話を聞いた。

【マサ北宮インタビュー】

 

――3・14博多大会で武藤に挑戦表明して、4・29名古屋での挑戦が決まったが、まず率直な思いは?

 

▼北宮「対・杉浦軍でもずっと言ってきたけど、オッサンとか年配者にベルトを持っていかれてる現状。これを打破しないと団体の未来がない。まずはそこですよ。あとはタッグのベルトも獲ったし、ここを皮切りに自分自身、上まで上がっていける活路を見出しつつあるから行動に出た」

 

――“あと一歩"の状況が長らく続いていたが、突き抜ける手応えを得られたということ?

 

▼北宮「うん、タッグベルトという明確な結果を出すことができた。しかもタイトルマッチでは、ここ最近ずっと辛酸を嘗(な)めさせられ続けてきた杉浦貴を正面から突破できた。杉浦貴から(勝ちを)取れたっていうのが、ベルト奪取に匹敵する収穫だったと思うからね」

 

――武藤がGHC王者となって注目が集まる状況は生まれているが、それ以上にノアの“老齢化"への危機感のほうが強い?

 

▼北宮「去年1年、潮崎豪がベルトを守ってきて、満身創痍でボロボロになってるところを、持ち前の嗅覚とエゲつなさで見事にかっさらっていったなと。そういうところは本当にズルいというか、エゲつない。確かに武藤敬司がチャンピオンになってビッグニュースになってはいるけど、それで『盛り上がったぜノア! やったぜ!』って腹の底から喜んでる人間がノアの中にいたら逆に問題だと思う」

 

――改めて“武藤敬司"についてはどんな印象を?

 

▼北宮「絶対的なネームバリューがあると同時に、絶対的な超ナルシストなんじゃないですか。『自分以外見てないな』っていうのは、この間リングで対峙してみてヒシヒシと感じた。何を考えてるか分からないミステリアスなところもあるし、悲壮感ってモンもないですよね。疲れてるんだろうけど、ひょうひょうとしてるし。だから怖さも感じない」

 

――あらゆる物を引き込んでいく魔力と表現されることもある

 

▼北宮「そうだね。あんだけボロボロだから当然、弱点はいっぱいあるはず。だけど、それ以上に自分のペースに引きずり込むえも言われぬ巧さみたいなもんがあるから、その“沼"にハマらないようにしないとね」

 

――いかに武藤の世界に引っ張り込まれないか…

 

▼北宮「うん、タイトルマッチはやっぱり特別な思いを持ってリングに立つから、どうしても浮き足立ちそうになるもの。過去、自分自身もその反省があったし、ある意味いつも以上に自分のレスリングに徹しないとエラいことになるから」

――そして自身と武藤には“マサ斎藤"という共通項もある

 

▼北宮「マサ斎藤さんと一緒にアメリカで過ごして、一緒のリングに立ってる…っていうのは、僕には絶対にできなかった経験なので、そこは素直に“うらやましい"ですよ。実際にリング上で肌を合わせたり、横に立ったりして感じたり、学んだりしたものっていうのは、やっぱりかけがえのないものだと思うんでね。自分はリングを下りた後のマサ斎藤さんしか知らないから、もし“武藤敬司の中に息づくマサ斎藤"という部分があるのなら、そこを感じて、何か盗めればいいなとは思ってますね」

 

――マサ斎藤さんにはどんな試合をみせたい?

 

▼北宮「うーん、そうだな……(※しばし長考)……正解はなんであれ、“勝ちに行く"試合をしないといけないと思ってる。結果がすべて。勝負に徹する。そこはいかなる状況でも。何がなんでも、どんな手を使ってでも。“執念"をみせたいかな」

 

――内容うんぬんよりも、何より勝つ姿をみせることだと?

 

▼北宮「そうだね。試合内容どうこうっていうのは、相手の出方もあるもんだから」

 

――杉浦を監獄固めで破っているが、武藤もヒザが悪いのは周知の事実。“ヒザ攻め"もキーポイントになりそうだが?

 

▼北宮「お互い、足関節に関する決め技がある。ただ、足の攻め方もバリエーションや種類もいろいろあるんでね。そこに繋ぐまでの“しっかりした何か"がないと勝利には至らない。監獄固めと足4の字固め…ではあるけれど、そこに向かっていくプロセスが一番重要だと思うんで。だから今からそこを考えてタイトルマッチに向かっていかないといけないと思ってるところですよ」

 

――人工関節が入っている今の武藤敬司のヒザを攻めるというのは、ある意味タブーのような気もするが…

 

▼北宮「そこは勝負の世界ですから。そんなこと構ってらんないですよ。みんなそれを承知でリングに立ってんだから。僕のキャリアのなかではまったく接点がなかった人だし、変な思い入れとかが邪魔することもないと思う」

 

――金剛としてもGHCヘビー戴冠は悲願だ

 

▼北宮「金剛としては、ナショナルのベルトもなくなって一歩後退した感もあるから、俺が獲って盛り返したいって気持ちもあるけど、今回に関しては、それ以上にマサ北宮個人としての闘い、って気持ちのほうが強い。もちろん金剛の絆は強いけど、ユニットやタッグチームであったとしても、結局リングの上では最後は“自分自身"なので。シングルのタイトルマッチなら、なおさら」

 

――GHCヘビーへの挑戦自体は2年以上ぶり、この期間に進化した部分は?

 

▼北宮「目には見えないかもしれないけど、日進月歩で積み重ねてきたものがある。それがあったからこそ、タッグのベルトも獲れたと思ってる。その(進化の)手応えがあったからこそ、シングルの挑戦表明に至ったと思うから」

 

――2年以上前はコンスタントにGHCヘビー戦線に絡んでいたが、ピタリと止まってからの停滞期がとにかく長かった

 

▼北宮「うん。あと一歩が突き破れないどころか、一歩下がって停滞して、また上がりかけては下がって…の繰り返し。自分の中でも、GHCヘビーに絡んでいけなくなったことへの葛藤があったのは確か。でも、伸び悩んだ時、よくガラッとスタイルを変えたり、見た目を変えたりして暗中模索する人もいると思うけど、自分の場合は煮詰まった時こそ、自分自身を貫き通す“強い信念"が必要だと思った。安易に技を増やしてみたりとか、安易に見てくれを変えてみたりとか、そういうことに走ろうと思えばできたのかもしれない。でもマサ斎藤さんの“マサ"をいただいているからには、ヘタなことはできないし、そんなフラフラできないから、何があっても貫き通す。その意地だけはずっと持ち続けてきた。名古屋では“マサ"の二文字にこだわり続けてきた、貫き続けてきた結果をみせたい」