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【好評発売中】電子書籍「三沢イズム ~魂の継承~」の一部を特別公開!

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2021.06.12

これまでに刊行された三沢光晴さん関連書籍4冊を合本、さらに未収録記事や未公開写真、書き下ろしを追加した大ボリュームの電子書籍「三沢イズム」、絶賛発売中!

三沢光晴さんの13回忌にあたる2021年6月13日を迎えるにあたり、その一部を特別公開いたします。

ここでは責任編集者・佐久間一彦さんの想いがこもった書き下ろし「はじめに」を全文ご紹介。

 

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はじめに――

 2009年6月13日に、三沢光晴さんが亡くなってから12年、干支が一回りして今年は十三回忌を迎えます。
 12年前のあの日からNOAHの方舟は次々と荒波に襲われ、いつ沈んでもおかしくないくらいのピンチを迎えることもありました。しかし、三沢イズムを色濃く受け継ぐ、丸藤正道選手や小川良成選手といった選手たちの頑張り、その他スタッフの方々や応援してくれるファンの力もあって、2021年2月には約10年ぶりに日本武道館に帰還。新たな戦力も数多く加わり、新しいファンも増え、新しい時代に突入したと言ってもいいでしょう。
 NOAHが荒波を乗り越える一方で、世界は今、新型コロナウイルスという荒波に襲われています。マスクをつけての生活、テレワーク、リモート取材・会議、外出やイベントの自粛、飲食店の時短営業など、生活様式に変化が生まれ、当たり前だったことが当たり前にできない生活に人々の不満は爆発し、テレビを見てもSNSも開いても不満が溢れています。
 コロナ禍で起こったマスクやトイレットペーパーの買い占め騒動や、他県ナンバー狩り、自粛警察といった出来事。あるいは昨今、何かと問題視されているSNSによる匿名の誹謗中傷や、あおり運転、指導者によるパワハラ……。世の中で起こる嫌なニュースを見ていると、いつも三沢さんの言葉が頭に浮かんできます。
 三沢さんは誰よりも責任感が強く、弱音を吐くことのない人でした。全日本プロレス時代、試合中に肩を脱臼したときも、鼻骨を骨折したときも、眼窩底骨折をしたときも、リングに上がって闘い続けました。その強さの秘訣を問われたときには、こんな言葉を残しています。
「人間は誰でも弱いですよ。ただ、俺はそうしないようにしているだけ。弱音を吐いてどうにかなるもんだったら吐きますよ。でもテメーしかわからないものを吐いてもしょうがないでしょ。だから俺は弱音を吐かない」
 また、きつい闘いを乗り越える精神力について聞いたときの言葉も忘れられません。
「小橋やベイダーと闘うのはもちろんきついよ。でも、試合のきつさなんて、一生のうちで考えたらほんの何十分、何時間だから我慢しようって割り切ってね(笑)。生まれてから死ぬまで嫌なことが一度もなかったヤツなんていないわけでしょ。生きるってことは楽な生き方ってなくて、生きていること自体がきついんだから。プロレスに限らず、一番大事なことは諦めないことだと思うよ。もうダメだとか、もういいやとか、投げやりにならないことが大事。そこで頑張れた人間が楽しいとか、嬉しい思いをしてほしいよね」
 三沢さんが言う通り、生きていればしんどいことはたくさんあります。それは自分だけでなく、みんな同じ。個人的にはこうした言葉を支えにして、しんどいことがあっても「長い人生で考えたらわずかな時間だ」と思って乗り越えるようにしています。三沢さんが亡くなって12年経っても、三沢さんが残してくれた言葉に勇気をもらっているのです。
 12年前、私は『週刊プロレス』の編集長を務めていました。当時はプロレス人気がもっとも低迷していた時期で、専門誌が相次いで休刊に追い込まれていた暗黒期。まだ30代前半で経験に乏しいながらも、唯一のプロレス専門誌の編集長として、いろいろなものを背負うことになり、精神的にはかなり苦しい日々を過ごしていました。そんなあるとき、三沢さんに「周りの人に期待されるのってしんどくないですか?」と聞いたことがあります。私の問いに対して、三沢さんはこう答えました。
「自分にそれでいいのか?って問いかけるんだよ。諦めそうになったとき、オマエはそれでいいのかって。なんでもそうだけどさ、難しい決断をするときは自分に問いかけて、自分に対して恥ずかしくない、カッコ悪くないようにすればいいんだよ。だから周りの期待に応えなきゃとか、そんなのではないよね」
 自分に問いかけて恥ずかしくない選択、カッコ悪くない選択をする。これこそが今の時代に一番必要なことではないでしょうか? 少しでも嫌なことがあったら不満を晴らすために人を傷つける。自分だけは損をしないようにズルをする。世の中で起こっている嫌なニュースや不祥事は、それぞれが自分に問いかけて恥ずかしくない選択、自分にカッコ悪くない選択をしていれば、すべて起こらないことばかりです。タラレバですが、今の時代に三沢さんが存命だったら、どんなことを言ってくれるのかなと考えてしまいます。

 本書には書き下ろしのインタビューも収録していますが、それにプラスして過去に出版された三沢さんの書籍が復刊、採録されています。三沢さんの言葉、考え方、そして生き方は、時代を超えて多くの人の力になるものだと信じています。だからこそ、今では手に入らない過去の書籍を復刊させて、たくさんの人に読んでほしい。三沢イズムを感じてほしい。そんな思いを込めて今回の出版を企画させてもらいました。
 いつまでも三沢さんに頼る心苦しさはあったものの、我々の思いを汲んで出版を許可してくださった、三澤真由美さんには感謝してもしきれない思いでいっぱいです。また、協力をしてくれた株式会社サイバーファイト様にもこの場を借りて御礼申し上げます。少しでも多くの人に三沢イズムが届き、たくさんの人がハッピーになってくれることを願っています。

『三沢イズム』責任編集・佐久間一彦

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「三沢イズム ~魂の継承~」 Kindle版

著者:長谷川 晶一 (著), 長谷川 博一 (著), 佐久間 一彦 (著)

形式:Kindle版

価格: ¥4,320(税込)

購入サイト:https://amazon.jp/dp/B0956W6FQW/

発売日:2021年6月6日 ※絶賛販売中!

 

【収録】「これがプロレス。四天王は語る」(1997年・三沢部分)/「チャンピオン三沢光晴外伝」(1999年)/「三沢光晴外伝完結編」(2009年・チャンピオンの加筆分)/「2009年6月13日からの三沢光晴」(2015年)/ BOYSRUSH 2003年4月号収録 三沢光晴インタビュー

【書き下ろし】長谷川晶一/小橋建太/秋山準/丸藤正道/三沢語録三沢光晴年表/写真