ニュース | プロレスリング・ノア公式サイト

ニュース

待望・杉浦戦は「シミュレーション不要、打てば絶対響く」 GHCナショナル挑戦へ望月成晃インタビュー

インフォメーション

10・28熊本大会でGHCナショナル選手権試合「(王者)杉浦貴vs望月成晃(挑戦者)」が行われる。

 

 ともに51歳にして驚異のコンディションを維持。互いに認め合うからこそ強く意識し「いつかやりたいと思っていた」と口をそろえる両者待望のシングル初対決だ。

 

 DRAGONGATEからノアに参戦し続ける望月としては、GHCのシングルタイトルは初挑戦。待ち焦がれた好機到来に燃える望月に現在の心境を聞いた――。

 

 

【望月成晃インタビュー】

 

――GHCナショナル挑戦表明へと至った心理的な経緯というのは?

 

▼望月「もともとノアさんに上がったのは、2019年2月のジャイアント馬場さん追善興行、両国大会で丸藤選手と当たったのがきっかけで。そこから2年半が経ちまして、N-1も3年連続で出させてもらって、結構“主要どころ"の選手とはシングルマッチやらせてもらったんですけど、杉浦貴とだけやってなかった。それこそノアに参戦する前から、ずっと『シングルで闘ってみたい』と思っていて。同年代ですし、どこからどう見ても強い。強いだけじゃなくて熱いプロレスもできる。かなり前から『闘ってみたいなあ』って思っていて、それでノアさんに参戦するようになってから『いつか、いつか』と思っていながらも、きっかけがなくて、結局シングルをやらずにここまで来て。でもタッグマッチで2回取られた段階で、『やられたからこそ、やり返せば“そういう流れ"に持っていけるな』って思ってて、それができたのが10月10日・大阪大会のタイミングでした」

 

――自身も50歳を超えても抜群のコンディションを保っているが、その自身からみても杉浦貴のコンディションは目を引く?

 

▼望月「そうですね。僕は24歳でプロレスデビューしてるんですけど、高校卒業後の5年間、“スポーツを何もしていない時期"というのが実はあったんですよ。でも杉浦貴は(アマチュア)レスリングの時代から、ずっと高いレベルでスポーツをしてきたアスリート。キャリアは僕より下かもしれませんけど、デビュー後すぐにトップ戦線まで来ていた選手ですし。で、これは余談かもしれませんけど、以前、こうやって接点ができる前に、実は家が近所でたまに見かけたりもしていたんですよ。『ゴツいなあ』ってずっと思ってて、まさかこういう日が来るとは…。だから、自分的にも杉浦選手とやれる時まで、こうしてコンディションを保って来られたのが良かったな、と思いますね。このタイミングまで」

 

――今回はタイトルマッチとなるが、心情的には“杉浦貴とのシングル"が第一義になりそう?

 

▼望月「そうですね。まずは杉浦貴とシングル。でもシングルやるならね、そこに杉浦貴が持ってるベルトがあるので。杉浦選手は今、ZERO1さんの世界ヘビーも持ってますけど、僕は今、ZERO1さんと接点があるワケではないので『じゃあ、その赤いベルトを』と。やっぱりタイトルマッチのほうが、お互い“プラスした力"は間違いなく出ると思うので。それに“ノアのヘビー級のシングルのベルトに挑戦する"なんて昔からしたら考えられなかったこと。しかもまさに今、手が届く状況にあるわけですから。だったら今の動けるうちに挑みたい…!って思いも強いですよね」

 

――これまで丸藤正道と組んでGHCのタッグは巻いたが、シングルには挑戦含めて縁がなかった

 

▼望月「そうですね。そこもなかなか“きっかけ"がなかったので。ウチ(DRAGONGATE)のリングでもシングルタイトルへの挑戦っていうのは、久しく無かったんでね。そういう意味でも何かの“きっかけ"っていうのが欲しかったのは事実。杉浦貴とのシングルマッチがタイトルマッチでできて、ひとつの大会のメインイベントで組まれた。そこはノアさんにも感謝したいですね」

 

――ノアで2年半、本当に身を削って積み上げてきただけに、そろそろシングルでも“証"も欲しい?

 

▼望月「そうですね。(GHC)タッグはタッグで大きな勲章でしたけど、やっぱりシングルマッチで輝く人がノアさんにはたくさんいるので。僕自身もシングルマッチ好きですし。だからそこに届いたら、自分のなかでもこれ以上無い勲章だな、とは思いますね」

 

 

――杉浦貴と闘ったらどんな試合になるかシミュレーションも重ねてきた?

 

▼望月「いや、ハッキリ言ってシミュレーションは“する必要がない"くらい、ですね。前哨戦でもそうでしたけど、絶対に“打てば響く"。年齢がいっても、コンディションが良くて、スタミナもあって、動けて、スピードもある。杉浦貴はそういう選手だと思うんで。だから逆にドッシリ構えられたほうが、僕としては勝機が少ないと思ってますね。それでも、こっちが熱く打てば絶対に“動いてくる"選手だと思うんで。内容を求めて試合をするわけではないし、僕は『いい試合します!』とかはあんまり事前に言いたくはないんだけど、“間違いのない試合になる"っていうのは、自分のなかで確信はもう持ってますね」

 

――10・28熊本でナショナル、10・30博多でGHCヘビー…と九州3日間で2つのタイトルマッチが行われるが、GHCヘビーの「中嶋勝彦vs田中将斗」への対抗心のようなものはある?

 

▼望月「川崎大会での前哨戦(望月&中嶋vs杉浦&田中)も、同じM's allianceでも田中将斗とは組まずに闘うカードが組まれた。その後に熊本ナショナル→博多GHCヘビーってタイトルマッチが続くこの流れは、もしかしたら『対戦相手だけじゃなくて、横も意識しろよ』って言われてるのかもしれない、って思ってますね。そういう“刺激"も煽られてるようなマッチメイクなんだと、僕のなかでは勝手に思ってます。ですんで(GHCヘビー級王座戦と)近い日にち、近い場所でやる…ってことに対しては、もの凄い意識してます」

 

――杉浦貴にも勝って、GHCヘビー級選手権試合にも勝つ…というのがテーマになる?

 

▼望月「うーん、でも正直そこまで余裕はないですね(苦笑) ノアさんのマッチメイク力で、そこまで意識はさせられてるなあ…とは感じますけど、実際そこまで余裕はないです。まず“杉浦貴と1対1でやる"ってことを、とにかく考えてます」

 

――少し話はそれるが、同じDRAGONGATEから参戦しているEitaはGHCジュニアタッグのチャンピオンになった

 

▼望月「そうですね。でも、Eitaがノアに上がった時に『ノアとDRAGONGATEって繋がりあったんだ!』って声がちらほら聞こえてきて…(笑) 『ずっと俺出てたじゃん!』って思ったんですけど。確かに僕はフリー時代もあったし、昔からあちこち出させていただいてるんで、DRAGONGATEとしてのイメージが薄いのかもしれないんですけど、Eitaがノアに出るのと、僕がノアに出るのとでは、もの凄く違って見られてるんだな…っていうのは感じましたね。でも、それで今度は拳王と覇王がウチの大阪(11月3日)でツインゲート(王座)に挑戦しますし。僕が単独で2年半、ノアさんに出てきた闘いが少しずつでもこうして広がった…っていうのは、僕としても何かの役割が果たせたのかもしれないと思いますし、それでプロレスファンの皆さんに“今まで観られなかったカード"を提供できるっていうのなら、それはそれでうれしいことですね。まぁ昔から結構、そういう“役割"多かったんで。新日本さんとDRAGONGATEの時も“まず僕から"みたいな(笑)」

 

――ではナショナルのベルトを獲って、ノアでも、DRAGONGATEでも、どんな影響をもたらしたい?

 

▼望月「影響っていうのは、周りがどう感じるかなんでね。だから、よしんば獲れたとしたら、どんな影響が生まれるか。むしろ僕が楽しみにしてますよ。今は杉浦貴という強敵に挑むってことが一番。そこからベルトを獲ったことで、僕を見る目がどう変わるのか、変わらないのか。そこは楽しみとして取っておきたいですね」

 

――では最後に改めて、杉浦貴をどう倒すのが理想?

 

▼望月「僕、ごくまれに丸め込みを使うこともあるんですけど、その勝ち方だけは“違うな"って思ってます。逆に丸め込みで勝つぐらいだったら、壮絶に散ったほうが、GHCナショナルというベルトと杉浦貴というレスラーに対しての“礼儀"かな、と思ってるんで。とにかく“真っ向"で、自分の武器で勝ちたいなと思ってますね」