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【7.14記者会見】7.16 日本武道館GHC 選手権試合調印式&直前記者会見 リポート

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7月14日(木)、都内にてプロレスリング・ノアが会見を行った。7・16日本武道館大会を2日後に控え、2王座戦の調印式と、大会に出場する主要選手が意気込みを述べた。

会見の先陣を切ったのは、第4試合のシングルマッチに登場する2人。4月の初来日で旋風を巻き起こし、待望の再来日を迎えたニンジャ・マックと、初来日のダンテ・レオンだ。

 

アメリカでは過去4戦して2勝2敗という両者は、ライバル心と信頼関係が相半ばする間柄。レオンが「今回初めての来日だが、ノアのリングに上がるのは小さい頃からの夢だった。当日は忘れられないような試合をする」と意気込めば、ニンジャは「また日本に来ることができた。皆さんがあっと驚くような試合をする。自分たちは何度も対戦しているが、大きな舞台でまた戦えることがうれしい」とマスク越しにも喜びが伝わるかのよう。

 

改めてノア・マットへの思いを聞かれたレオンは「選手たちの独創性が素晴らしいリング。特に丸藤は素晴らしいとずっと思っていた。今まで積み重ねられてきた歴史に、自分の独創性を加えたい」と回答。

 

一方のマックは、前回来日の最後にノアと専属契約を交わしてから最初の参戦となる。「実績を作っていって、やがてはベルトに挑戦できるようになりたい」と抱負を語った。

 

互いの印象について聞かれると、ニンジャは「ライバル。すごくタフな強敵」と表現。対するレオンは「ライバルだし、パートナーでもある」と返した。当日の試合については「トップレベルの試合になるが、それを制するのは自分」(ニンジャ)、「武道館では、彼のマスクの下にどんな顔が隠れているのかを日本の皆さんにお見せしたい」(レオン)とコメント。

 

フォトセッションでは顔を突き合わせて火花を散らす様子も見せた2人。4月の両国大会の時のように、武道館がまた驚きの声で包まれることになるのか? 実に楽しみな一戦だ。

第5試合に組まれたハードコアマッチからは、ロブ・ヴァン・ダム&田中将斗組が登場。RVDはサイバーファイトフェスでノアに初登場し、試合後にNOSAWA論外の挑発を受けて今回の試合に至った。NOSAWAにはスペル・クレイジー、RVDには田中将斗と、それぞれECW経験者たちがパートナーに名乗りを上げ、「これぞハードコア!」な顔触れが揃った格好だ。

 

まず田中が「僕のプロレス人生において、ECWに遠征していた数年間はすごく刺激的で、RVDは当時トップでやっていてダントツに会場を沸かせていた。ECWがなくなって25年が経つ今、ノアのリングでRVDと組んでハードコアマッチをやれるのはすごく光栄。日本武道館をECWアリーナのように盛り上げたい」と熱く語れば、RVDも「また日本に戻ってこられて、しかも何度も試合をした武道館で田中と組んで試合ができるのはとてもうれしい。田中はECWの中でも最もタフな選手の1人だったし、とても心強いパートナーだ。前回の来日で、みんな自分が絶好調だと分かったはず。当日は忘れられないような素晴らしい試合になるので、楽しみにしていてほしい」と、こちらも熱いコメント。

 

さらに質疑応答でも、RVDは「ハードコアマッチは一番大好きで、自分が一番輝ける試合形式。相手のスペル・クレイジーもECWにいたからよく知っているし、NOSAWAもハードコアが好きな選手だということを知っている。ここでこそ、真のハードコアマッチを見せられると思う。その中で一番輝くのはRVDだ」と、ECW、ハードコアマッチへの思いが止まらない様子。果たして当日の武道館は、かつてのフィラデルフィア・ECWアリーナに変貌するのか?

荒れ気味になったのは、GHCタッグ王座決定戦の調印式だ。当初タッグ王座については、マイケル・エルガン&マサ北宮の王者組に鈴木秀樹&ティモシー・サッチャー組が挑戦する予定だったが、エルガンの欠場と王者組の王座返上が発表され、急きょ北宮が稲村愛輝をパートナーに迎えて鈴木&サッチャー組と王座決定戦を行うこととなった。

 

調印書に署名した後、サッチャーは「この相手2人がすごく強いことは分かっている。だが我々にはサブミッション、ピンフォールといろいろな勝ち方がある。最終的にドアを見つけて、王者としてそこを通過するのは俺たちだ」と自信満々にコメント。続いて鈴木は「北宮と稲村の2人が、今現在のノアの最前線にいる人間。これがノアかどうかを確かめる。彼らがダメだったら、僕らがノアとなってその先、引っ張っていきたい」と、独特な言い回しでこの試合を表現した。

 

それに対し稲村は「この巡ってきたチャンス、強い2人に精一杯自分の持てる力を発揮して、正面からガッチリぶつかってタッグベルトを獲得したい」と、初戴冠に向けて力強くコメント。北宮は「(カード変更は)大会当日を目前に控えて急転直下、青天の霹靂だったが、日本武道館でサッチャー、鈴木とベルトを争える。しかもパートナーは稲村愛輝。この上ない幸せ。偶然のようだけど僕は必然だと思ってる。どの試合よりもドラマチックに、タフに勝ちたい。ぜひ日本武道館に見に来てください」と意気込みを述べた。

 

質疑応答で、サッチャーとの関係性を聞かれた鈴木は記者に対し「調べてください。彼との出会いはこの戦いには関係ない」とピシャリ。さらに「北宮とのチームの相性は」と聞かれた稲村が答え始めると、鈴木が割って入り「そんなもんどうでもいいっすよ。今までどうだったかとか、関係ない。頑張ったって結果が出なかったら全く意味がない。7月16日に結果を出すか出さないか、それだけです」と一気にまくし立てた。さらに鈴木は稲村に向かって「僕はこれだけ頑張りましたという発表会じゃないからな」と釘を刺した。

 

ここで両チームの会見はお開きとなり、フォトセッションに移ったが、降壇した4人はそのまま距離を詰めての睨み合いに。結局、報道陣のカメラにポーズを取ることはなく、鈴木組からその場を離れた。去り際、鈴木がなおも「ずっと頑張ってやってろよ。な!」と挑発すると、稲村はそんな鈴木の背中を怒りのこもった表情で見つめていた。

セミファイナルで行われるのは、GHCジュニアヘビー級選手権、王者・HAYATA vs 挑戦者・吉岡世起の一戦。吉岡はこの挑戦のためにタッグパートナーである進 祐哉と袂を分かってSTINGERを離脱。覚悟を決めての一戦に向けて、前哨戦では得意の蹴りでHAYATAを4連続KOして気を吐いた。

 

調印書に署名した2人のコメントでは、吉岡が「1ヵ月前にSTINGERを抜けて退路を断ってやってきたのは、全てはこのタイトルマッチのため。自分が今ほしいベルトを獲りに行く」と改めて覚悟を示せば、HAYATAは「今回、セミファイナルに組まれた意味を理解した上で勝つのは俺や」と、セミの重さを強調した。

 

質疑応答で「武道館のセミ」への思いを聞かれた吉岡は「覚悟を持って挑戦表明をしたタイトルマッチが、武道館のセミに組まれた意味はすごく感じている。“万全”じゃなく、“今まで以上”の吉岡世起を見せたい」と、自信に満ちたコメント。

 

HAYATAは前哨戦で4回KOされた屈辱について、「前哨戦で好き勝手やらせた分、勝ち方は見えてる」と、それが計算されたものであったような発言。対する吉岡は「4度KOして、HAYATAに飛び癖がついてないかという心配はあるが、こちらは飛ばし癖を掴んでいる。武道館でもKOしてベルトを獲りたい」と、前哨戦そのままのKO劇が武道館のリングでも再現されることを予告。当日はその通りの場面が現出するのか、それとも……? ベルトの行方は、一瞬の攻撃が決めることになりそうだ。

メインのGHCヘビー級選手権に臨む王者・小島聡と挑戦者・拳王の両者は、直前の意気込みをコメント。金剛のトレードマークである赤ではなく緑のネクタイを締めた拳王は「今まで前哨戦とかでいろいろ言ってきたけど、俺の思いは一つだけだ。ノアの至宝、GHCヘビー級選手権。今、新日本プロレスに流出している。それを俺が取り戻す。以上だ」と、短めにコメント。

 

迎え撃つ小島は「拳王が『小島がチャンピオンじゃノアの未来が見えない』と言いました。ですがノアの現在は私です。私が一生懸命戦えばノアの未来はおのずと見えてくる。この右腕のラリアットで拳王を天井の大きなタマネギの向こうまで吹っ飛ばします」と、高らかに勝利宣言。

 

質疑応答で緑のネクタイの理由を聞かれた拳王は「たまたま手に取ったのが緑のネクタイだった。そういうことなんだろうな」と煙に巻く。さらに小島はどんな存在かと聞かれると、改めて小島の顔を見た拳王は「ムカつく顔してるよな」と一撃。「中西学さんのYouTube見たら、『小島さんはしたたかです』って言っていた。俺なんか会って2日で気づいたぞ。(小島は)ベビーフェイスを気取ってんだよ。近未来は見えても遠い未来、GHCヘビー級選手権が棺桶に入っちまう」と、ノアのリングに高い適応力を見せている小島を口撃。

 

それを聞いた小島は「ムカつくと言われて、本当に遺憾。見た目で判断する心の狭い人間で、悲しい」と反撃を見せた。

 

小島と拳王と言えば、対戦が決まってからの前哨戦ではお互いにスクワット、プッシュアップ、ライオンプッシュアップとトレーニングメニューを交えたバックステージでの攻防が密かな注目を集めてきた。その総決算となるタイトルマッチでは、どんな攻防が展開されるのか。

 

なお7月16日はノアの日本武道館大会と、新日本プロレスの「G1 CLIMAX」開幕戦・札幌大会が揃ってABEMAで生中継されることが決定し、同日は「プロレスの日」と名付けられている。同じプラットフォームで両団体が見比べられることにもなるわけだが、これに対し拳王は「新日本への対抗心? あるに決まってるだろ! そして新日本プロレスの小島聡が持っているGHCヘビー級選手権、小島聡自身に対する対抗心もメチャクチャあるからな!」と吠えてみせた。

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