ニュース | プロレスリング・ノア公式サイト

ニュース

【9/26記者会見】武藤敬司引退ロード第3弾 対戦相手発表記者会見 リポート!

インフォメーション

9月26日(月)、都内にてプロレスリング・ノアが会見を行った。武藤敬司の引退ロード第3弾となる10・30有明アリーナ大会のカード発表を中心に、いくつかの発表が行われた。

まず登壇したのは、前日の9・25愛知・ドルフィンズアリーナ大会で拳王を破りGHCヘビー級新王者となった清宮海斗。試合後には次の挑戦者に藤田和之を指名し、10・30有明大会での防衛戦も決定している清宮は、こうコメント。

「昨日のタイトルマッチ、拳王は強いチャンピオンでした。いろんな部分で拳王には揺さぶられた部分があったんですけど、この戦いがあったからこそ、自分の戦い方、スタイルというものに、ブレないものができたと思います。

10月30日、有明アリーナで防衛戦が決まりました。この先、チャンピオンとして先に進むためにはどうしても倒さないといけない相手です。自分がチャンピオンとしてどんな荒波にも負けない強さというものを見せていきたいと思います。怪物・藤田和之を倒して俺たちのプロレスを作ります。俺を見に来てください」

 

質疑応答では、約3年ぶりの戴冠に前回のとの心境の違いを問われると、「前回はただただガムシャラにというのもあったし、本当に勢いという部分が凄く多かったんですけど、今のベルトに対しては、ここまで1日1日濃い日々を過ごしてこれて、ベルトまでの期間が自分の中で本当に大事にしたいものなので、本当にこのベルトは一生守り抜きたいと思ってます」と回答。

 

また藤田和之の印象を改めて問われると、「自分がもがいていた時にチャンピオンでしたし、藤田和之がチャンピオンでノアを盛り上げていたのを見てた時は悔しかったし、でもやっぱり説得力、圧倒的な強さという部分は藤田和之の凄さだと思うんで。ただやっぱり自分がチャンピオンとしてこれからやっていくためには、そういう強さ、何が起こっても負けてはいけないという部分をチャンピオンとして見せなきゃいけないと思っているので、自分がチャンピオンとしてこのベルトをこれなら防衛していくなら、最強の男・藤田和之を倒したいと思います」と、力強く答えた。

 

その藤田の攻略については「課題は『強さ』という部分だと思うんですよね。誰もマネできないぐらいの戦い方をする選手なので、そこに対して自分が対応できなければベルトは守れないし、ベルトを守れないということは、自分にとって本当に死んだのと一緒なので、そこの『強さ』という部分をこの期間いろんなものを磨いて模索していきたいと思います」と返答。

 

藤田は清宮に指名されてリングに上がった際、清宮を抱きしめるという謎の行動に出た。それについては「何が起きてるのか分からなかったですね。何で抱きしめられてるのか。僕は藤田和之と戦うモードでいたので。他の選手はしないことだし、これから攻略するのが難しい点かなと思いますね」と、真情を吐露。さらに藤田が発した「俺とやるってことは、どういうことかわかってるよな? 俺と経験したらもう、普通には戻れねぇぞ。その覚悟あるかってことだよ。忘れられない夜にしてやるよ」というコメントについては「自分もチャンピオンとして戦っていくにあたって、今までにない、ノアのイメージではないような試合をしていきたいと思っているので、そこは自分も燃えてる部分ですね」と、清宮なりの反応を見せた。

 

舞台となる有明アリーナについては、「有明には本当にいろんな思い出がありますね。自分がプロレスラーとして生まれた場所が有明で、本当に思い出がたくさんあるんで。ノアのファンの方にとっても凄く思い出のある場所だと思うんですよ。一緒に記憶を残してこれたと思うんで、そんな場所でまた新たな記憶を残せるというのを、自分はやっていきたいなと思います。有明アリーナという大きな会場でやるということは、それだけリスクもあると思うし、こればっかりは1大会1大会、本当に命がけでやっていきたいと思います」と語った。

 

さらに、来年2月に予定される武藤の引退興行にチャンピオンとして参加したいかと聞かれた清宮は、「もちろんそれはあります。本当にここまで来れたのは、凄く武藤さんの存在が自分にとって大きいので、チャンピオンとしてリングに立って、その姿を武藤さんに感じていただきたいと思います」と答えていた。

続いて、武藤敬司と武田有弘取締役が登場。まずは武田取締役から、10・30有明アリーナ大会が「ABEMAプレゼンツ」として行われること、当日はABEMA格闘チャンネルで無料生中継されることが発表された。そして同大会は、ノアとしては2年半ぶりの「声出し可能大会」として開催されることについて、「今後の社会情勢次第ですが、もしかしたら武藤コール最後の大会になる可能性もあります。会場にお越しいただき、ぜひ武藤コールをお願いします」と述べた。

 

武田取締役が降壇すると、入れ替わりに10・30有明の6人タッグマッチで武藤と対戦する中の1人として、新日本プロレスの棚橋弘至が登壇。棚橋は「武藤さんの38年の現役生活お疲れ様という気持ちを込めた」という38本のバラの花束を手に現れると、それを武藤にプレゼント。しかしここで、武藤が注文をつけ、こんな会話が。

武藤「棚橋よお、武藤イズムだったら今話題のメイウェザーみたいに落とせよ。そしたら俺が拾うから」

棚橋「やった方がよかったですか?」

武藤「そりゃそうだよ!」

棚橋「すみません、いまだにアドリブがきかなくて(笑)」

 

こんなやりとりの後、いよいよ当日の対戦カードがビジョンで発表された。そのカードは、「武藤敬司・丸藤正道・稲村愛輝vs棚橋弘至・真壁刀義・本間朋晃」。また、武藤と棚橋のこれまでの関係として、棚橋が1999年に入門して武藤の付き人になったこと、武藤が新日本を離れた後、2009年1月4日の東京ドームでは棚橋が武藤を下してIWGPヘビー級王座を奪取したこと、そして2022年1月8日の横浜アリーナでは団体対抗戦メインのタッグマッチで両者が対戦したことなどが紹介された。そして2人の雄姿が並べられた大会メインビジュアルも発表された。

 

棚橋はこのカードについて「僕は、武藤さんは生涯現役でやっていくものだと思っていましたので、引退を発表された時はやはり動揺しました。ファンの頃から一番好きな選手でしたし、ご縁あって新日本プロレスに入門して、付き人をやらせていただきました。若い頃、ジムに一緒に連れていっていただいて、ウェイトトレーニングを一緒にした思い出もありますし、何と言っても昔、武藤さんとお話しした時に、ベンチプレスのMAXが190kgと教えていただきまして、長い間その190kgを目標にしてまして、2014年か15年頃に190kgを1回上げました。これで武藤さんに体格も運動能力も華も追いつけなかったかもしれないですけど、ベンチプレスだけは追いつきました。あんまり関係なかったですけども(笑)。今回、武藤さんの引退ロードの一つとして、新日本プロレス3名、出させていただくので、1分1秒でも長く武藤選手と戦っていたいと思います」とコメント。

 

すると武藤がすかさず「棚橋さあ、ベンチプレス、絶対俺の方が手が長いから不利なんだよ。お前の方が短いからさ、同じ190kgでも、ちょっと違いがあるよ」と物言い。棚橋が「違いはありますけど、体重が僕の方が軽いから、イーブンです」と返すと、武藤は「あ、そうか」と、意外にも(?)素直に引き下がっていた。

 

このカードについて武藤は「プロレスラー武藤敬司、新日本プロレスで生まれ育って、本当はやめる前に、最後は新日本プロレスのリングに上がりたいと思ってるんだよ。でも新日本プロレス、競争の激しい団体なので、棚橋にノアのリングに来ていただいて、ノアの武藤敬司を査定してもらおうかなと思っております。その先にはぜひやめる前に、新日本プロレスのリングで戦いたいと思っています」と述べた。

 

これに棚橋は「武藤さんの中で新日本プロレスの中での記憶が大切に思ってもらってると分かりましたし、全日本プロレス、ノアとプロレス界全体を盛り上げてきた、後にも先にも現れない希代のレスラーであることは間違いないので、本当に全力で戦いますし、何とか微力ながら、新日本プロレスのリングにも上がっていただけるように、ちょっと僕、動きます」と呼応。今回のカードが新たな展開を生みそうな空気になってきた。

 

花束の意味について改めて問われた棚橋は「愛ですね、愛。僕は武藤さんが好きすぎるんで、プロレスLOVEから『愛してまーす!』が派生して、バラに行き着きました」と返答。

 

武藤は声出しOKとなった件について聞かれると「先ほど、武田取締役が、『ぜひ武藤コールを飛ばしてくれ』と、半ば強制的に。そんなこと言わなくても試合で飛ばさせるように努めますので、あんまり武田取締役の言ったことを気にせずに見ていただければいいなと思います」と、らしい反応を見せていた。

 

質疑応答でカード全体の印象を聞かれた棚橋は「僕は真壁選手と本間選手と組みます。真壁さんは武藤さんが新日本にいらっしゃった頃から知ってる選手ですし、本間選手は全日本の時にご縁がありますし、本当に新日本側としてはいろんな流れを汲んだ3人だと思います」とコメント。同じ質問に武藤は「俺の両サイドは丸藤と稲村と頼もしい2人で、ただ相手の本間は、棚橋の後に俺の付き人をしてまして、正直アイツ何言ってるか分からなくて、コミュニケーション取れるのかよ? ちゃんと」と、棚橋に疑問をぶつける。棚橋が「毎日巡業で接してると徐々に耳が慣れて、繰り返し聞くことによって、僕は本間選手の言うことは6割7割は分かります」と返答すると、武藤は「その残り3割4割を突いて勝ちたいと思います」と、勝利のための戦術を明かした。

 

棚橋は武藤との対戦で感じたいものを問われると、「もうこのキャリアで何かを新しく得るというのは難しいことかもしれないけど、武藤さんがまだ誰にも伝えてない“秘中の秘”があると僕は睨んでますので、試合の中でパッと、感覚というかニュアンスを掴みたいと思ってます」と返答。これに武藤は「“秘中の秘”なんて言ってるけど、俺はもうこの38年間、さらけ出してるからね。そんなものないよ」と返していた。

 

また今大会には武藤の旧テーマ曲にちなんで「TRIUMPH」というサブタイトルがついている。棚橋は「TRIUMPH」の思い出を聞かれて、「ファン時代は『HOLD OUT』(『TRIUMPH』以前のテーマ曲)がカッコよくて好きで、大学生の時に高校の友達と10・9東京ドームを見に行って、メインで『HOLD OUT』来るぞ!と思ったら『TRIUMPH』がかかって、みんながノリたくてもノれなかったという思い出があります」という微妙なエピソードを披露。

 

棚橋がノアのリングで試合をするのは2013年の小橋建太引退記念興行以来となるが、「当時とシチュエーションも違いますし、今回は団体対抗戦という意味合いではないと思ってますので、また違う形で盛り上げようと思ってます」と言い、また今のノアについては「清宮選手を中心に回ってる印象があるので、とても状況的にはいいし、素晴らしいんじゃないかなと思います。その清宮選手の立ち位置に武藤さんが大きく影響を与えているというのも凄いなと思います」と評した。

 

 

最後は武藤敬司1人が壇上に残り、2023年1・22横浜アリーナ大会について会見。同大会はグレート・ムタのファイナルマッチが予定されているが、まず先週のAEWニューヨーク大会で、突如ムタがリングに登場し、窮地に立たされていたかつてのライバル・スティングを救出した映像が紹介された。この一件を受けて、スティングが横浜大会に登場することが決定。

 

これについて武藤は「いやいや、俺、グレート・ムタのことなんて知らないよ。分からないよ」としながらも、「魔界の門が開いたら、そこはいきなりニューヨークのAEWのリングで、なりゆきでスティングを救ってしまったら、引退試合に来てくれるということになりました。以上です」と説明。

 

スティングとはかつて、ムタがアメリカ・マットを席巻していた頃からのライバル関係。武藤も「グレート・ムタの歴史を振り返ったら一番に出てくるのはスティングであって、いまだに元気に頑張ってる姿を見ると、こっちも……こっちって言ったらアレか。グレート・ムタもエネルギーをもらって、やる気を出してました」と、ムタの様子を説明。当日の試合については「アメリカのリングでシェイクハンズをしてるということは、横に、パートナーとして並ぶと思います」とした。

 

さらに、現地での様子を聞かれると「アメリカのスティングっていうのは、皆さんが考えてる以上に本当にスターでね、ニューヨークの大会だって運転手付きのリムジンで会場に入ってますからね。プラス、さっきの(映像での)熱気。さっき、声出しできるっていう話がありましたけど、アメリカじゃマスクもなしで、ムタにも凄い声援があってね、引退するのがちょっと惜しくなってきたなあなんて気持ちも抱きましたよ」と、偽らざる心境を告白。だが「アメリカでも試合をしたい気持ちになったのでは?」と問われると、「スケジュールがもう、無理だろ。やりたいって気持ちは凄くあるけどね。今さら引退撤回なんて不可能だろ。残念ながら不可能ですね」と答えていた。

 

 

10・30有明での棚橋との激突、1・22横浜でのスティング登場と、早くも役者が揃ってきた武藤・ムタの引退ロード。有明では清宮vs藤田をはじめとする豪華カードも発表されている。この先も話題満載のノア・マットから目が離せない!

関連興行