いったい何者なのか?最速で方舟の頂点を獲った男、ジェイク・リーに迫る!
賢者ジェイク・リーが放つのは青白い炎!異質のようで懐かしい王道のエッセンスが
全日本プロレスのトップの一角にいながら昨年末(2022年末)で退団すると、年明け早々の元日にこれまでまったく接点がないNOAHの日本武道館決戦に突如現れて参戦表明。参戦11戦目の3月19日の横浜武道館でNOAHのスタイルとは異なる独特の間合いのファイトで清宮海斗を撃破して第42代GHCヘビー級王者になったジェイク・リーは、NOAHのファンにとっては不思議な存在なのではないだろうか。一体、ジェイク・リーとは何者なのか――。
――プロレスとの出会いと背景
HPのプロフィール(https://www.noah.co.jp/profile/328/)にあるようにジェイクは大学4年の時の2010年に全日本にスカウトされた。全日本が北海道を巡業していた時、ジェイクのウェイトリフティングのコーチが大学の後輩の諏訪魔に「誰か大きい奴はいないですかね?」と相談されて紹介、諏訪魔とともにジェイクと食事をした当時の全日本の社長・武藤敬司が「Tシャツを脱いでみろ。…合格!」と即決したという。大型フェチの武藤がその場で惚れ込んでしまったのだ。ジェイクはプロレスの知識がほとんどないままに入門し、8月には破格の扱いでデビューしたが、そうした環境に気持ちが追いつかず、心が折れて10月に引退した。
その後、故郷の北海道に戻って総合格闘技を学んで選手として大会にも出場したが、プロレスを途中で投げ出してしまったことに悔いがあり、2015年6月に秋山準に社長が代わった全日本で再デビュー。秋山はバックドロップを必殺技にする若手としてジェイクを売り出したが、それは192センチ、110キロのジェイクに大先輩のジャンボ鶴田を見ていたのかもしれない。
秋山に見出されたのはジェイクにとってプラスだった。ジャイアント馬場に直々に教えを受けている秋山は“大きなプロレス”を教えることができたからだ。小さな選手の速い動きに惑わされることなく、自分の間合いで試合を進める。緩急をつけて自分の体、技を大きく見せるスケール感のあるプロレスをやる。そして王道プロレスの基本の基も身に付けた。
さらに秋山と同じく、ジェイクもまたプロレスをとことん考える人間。それは一度挫折を味わっていることが大きいのだろう。
総合を経験し、今も柔術の練習を続けているジェイクは「プロレスとは」「格闘技とは」ということを常に考えているはず。総合、柔術の技術をプロレスの試合でひけらかすことはしないが、全日本時代に柔術の技術で勝った試合もあった。懐にナイフを持っているのだ。
――ジェイク・リーの人間性
思慮深いジェイクは威勢よく相手を挑発したり、闘志剥き出しにするわかりやすいタイプではない。そうかと思うと、突如として狂気を爆発させる。真っ赤な炎ではなく、青白く燃える炎。青白い炎を放ち、相手を焼き尽くす妖しいオーラがあるのだ。
YouTubeのインタビュー(https://youtu.be/84KlNt3tsio)で「不安と緊張と好奇心…いろいろな思いがゴチャゴチャになっている感じです。ふてぶてしくやっているように見せているだけで、生きるための術ですよ、今こうやっているのも。元が凄く強いわけでもないし、何かに秀でているというわけじゃないし、元々ない人間だからこそ、考えて工夫してっていうのを誰よりもする必要がある」と語っていたが、まさしく本音だろう。いかに自分を表現するか、どう自己プロデュースするかを考えている。
そんな賢者ジェイクだから、清宮がオカダ・カズチカに敗れたタイミングで「今のお前には荷が重い」と挑戦の名乗りを上げ、ベルトを獲って「今日から俺がNOAHの舵を取る」と宣言した。まさに機を見るに敏だ。
全日本時代、三冠王者になって全日本を牽引すると誓った時、ジェイクは全日本の歴史を学んだ。21年6月に初めて三冠王者になった時には天龍源一郎、川田利明、小橋建太、秋山準といった歴代王者のもとに行き、話を聞いていた。
――NOAHでの戦い
今回、NOAHに参戦するにあたってもNOAHの歴史を勉強している。全日本から独立してNOAHを旗揚げした三沢光晴のように、自由を求め、さらなる高みを目指して方舟にやってきた。そしてジェイクはGHCヘビー級王座を“自由の象徴”と定義した。それを手にしたことで、ようやくジェイクの新章がスタートしたといっていい。
NOAHのプロレスはスピーディーで技も多彩なだけにジェイクのファイトは異質に映るかもしれない。清宮とのGHC戦を振り返ると、グラウンドから入って大きな体を使って試合をコントロール。大技を多用せずに試合を組み立て、フィニッシュも串刺しフロントハイキックというシンプルな技だった。若いファンには異質でも、馬場・全日本から引き続いてNOAHを観ているファンには、どこか懐かしさがあるかもしれない。根っこにNOAHのルーツの王道のエッセンスがあるからだ。
そして4・16仙台での中嶋勝彦との初防衛戦。「試合の流れに関係なく、一発で終わる。唐突に」と予言しているジェイク。まだ開けていない引き出しから、もうひとつ新たなナイフを出すに違いない。
(文/小佐野景浩)
―4.16仙台大会詳細―
ABEMA presents GREEN JOURNEY 2023 in SENDAI
・日時:2023年04月16日(日) 開始:16:00/開場 14:30
・会場:ゼビオアリーナ仙台
◆特設サイトはこちら https://www.noah.co.jp/greenjourney2023insendai/
<配信情報>
・ABEMAでの視聴はこちら
・WRESTLE UNIVERSE(英語実況)での視聴はこちら
https://www.wrestle-universe.com/ja/lives/452xj1hND5UPprotS9umZF
<チケット情報>
VIP席(特典付き) | 30,000円 | (当日 30,000円) |
アリーナS席 | 15,000円 | (当日 15,000円) |
アリーナA席 | 8,000円 | (当日 8,000円) |
2階スタンドS席 | 10,000円 | (当日 10,000円) |
2階スタンドA席 | 7,000円 | (当日 7,000円) |
2階スタンドB席 | 5,000円 | (当日 5,000円) |
レディースシート | 4,000円 | (限定販売) |
エキサイトシート | 3,000円 | (限定販売) |
学生シート(要学生証) | 2,000円 | (当日のみ) |
◆チケットの購入はこちら → https://eplus.jp/sf/word/0000001320
<対戦カード>
<第10試合 メインイベント・GHCヘビー級選手権/THE LUNATIC GATE>
(王者)ジェイク・リー VS 中嶋勝彦(挑戦者)
※第42代王者の初防衛戦となります。
<第9試合・GHCジュニアヘビー級選手権/RISE AND FALL>
(王者)AMAKUSA VS HAYATA(挑戦者)
※第52代王者の4度目の防衛戦となります。
<第8試合・GHCナショナル選手権/SKY’S THE LIMIT>
(王者)イホ・デ・ドクトル・ワグナーJr. VS ジャック・モリス(挑戦者)
※第9代王者の3度目の防衛戦となります。
<第7試合・GHCジュニアヘビー級タッグ選手権/TIME FOR A CHANGE>
(王者)小川良成 Eita VS YO-HEY タダスケ(挑戦者)
※第55代王者組の3度目の防衛戦となります。
<第6試合・GHCタッグ選手権/VOLCANIC EXPLOSION>
(王者)マサ北宮 稲葉大樹 VS 杉浦貴 谷口周平(挑戦者)
※第63代王者組の2度目の防衛戦となります。
<第5試合・6人タッグマッチ/LALAPALOOZA FIESTA>
ドラリスティコ ドラゴン・ベイン アレハンドロ VS エクストリーム・タイガー アルファ・ウルフ ランセロット
<第4試合・10人タッグマッチ/MIGHT MAKES RIGHT>
丸藤正道 清宮海斗 ニンジャ・マック 小峠篤司 吉岡世起 VS 拳王 新崎人生 近藤修司 大原はじめ Hi69
<第3試合・シングルマッチ/WILD AND FREE>
雪妃真矢 VS 夏すみれ
<第2試合・6人タッグマッチ/NO HOLDING BACK>
鈴木秀樹 ティモシー・サッチャー サクソン・ハックスリー VS 稲村愛輝 岡田欣也 ショーン・レガシー
<第1試合・シングルマッチ/OPENING JOURNEY>
矢野安崇 VS 小澤大嗣
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