【AXIZ電撃復活!】潮崎豪&中嶋勝彦のタッグチーム”AXIZ”(アクシス)とはどんなタッグなのか!?
5月4日の両国国技館でその衝撃的事件は起こった。この日、潮崎豪の復帰戦の相手チームであった中嶋勝彦が、試合後に金剛脱退、そして潮崎豪とのタッグチーム“AXIZ”(アクシス)の復活を宣言した。
一世を風靡したチームの電撃復活。復帰を待望されていた潮崎豪と、そのライバルとしてしのぎを削り合った中嶋勝彦が再び手を握る。
必然的に注目の集まるこのタッグは、いったいどのようなタッグなのだろうか。AXIZの歴史を振り返ってみたい。
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潮崎豪&中嶋勝彦のタッグチーム“AXIZ”(アクシス)は、5・4両国国技館で中嶋が潮崎に握手を求めたことで再結成。中嶋は金剛から離脱となり、5・14後楽園からさっそくAXIZとして再始動を果たす。
1. 潮崎豪と中嶋勝彦
潮崎と中嶋は2004年デビュー同士。それぞれ生まれ育った団体は違えども、プロレス界の未来を担う存在として注目され、当人同士も常に意識する間柄だった。
両者の運命が最初に交錯したのは2005年7月18日のNOAH東京ドーム。潮崎の師匠である小橋建太さんと中嶋の師匠である佐々木健介さんが世紀の一騎打ちをおこない、伝説のチョップ合戦を繰り広げた一戦を両者はセコンドとして目撃している。
それから4カ月後のNOAH日本武道館で健介&中嶋vs小橋&潮崎という師弟タッグ対決も実現。2008年春より中嶋がNOAHにレギュラー参戦するようになってからは、新世代ライバルとして激闘を紡いでいく。
潮崎がエースとしてNOAHをけん引していた時期は、当時はジュニアヘビー級だった中嶋と3度シングルマッチがおこなわれ、潮崎の2勝1分け。2012年いっぱいで潮崎がNOAHを退団し、全日本に移籍。2015年11月にNOAHに帰還して再会を果たした中嶋は、ジュニアヘビー級からヘビー級に階級を上げており、2016年1月にNOAHに正式入団した。
当時のNOAHは新日本プロレスの鈴木軍に侵略されていた時期。潮崎と中嶋はNOAH側として同じコーナーに立ってきたが、鈴木軍撤退後の2017年から再び向き合う関係となり、同年3月12日のNOAH横浜では中嶋のGHCヘビー級王座に潮崎が挑戦。中嶋がこれまで一度も勝てなかったライバルからシングル初勝利を収めている。
2. AXIZ結成
そんな中、2018年6月10日、後楽園の「三沢光晴メモリアルマッチ」で潮崎&中嶋が初めて2人だけのタッグを結成。丸藤正道&杉浦貴というNOAHの“象徴”コンビと対戦したことがきっかけで、世代闘争が本格開戦していく。
2018年11月に丸藤が負傷による長期欠場のため、齋藤彰俊と保持していたGHCタッグ王座を返上。12・7後楽園で同王座決定トーナメントが開催されることになった。そこにエントリーされたのが潮崎&中嶋である。
時期的にちょうど清宮海斗が決勝で中嶋を破って「グローバル・リーグ(現N-1 VICTORY)」を初制覇し、GHCヘビー級王座初戴冠を果たす直前。“新しい景色”の足音が聞こえてきて、丸藤&杉浦ら旧世代もまだまだ健在。当時キャリア14年という狭間の世代と言っていい潮崎と中嶋が歩調を合わせるのも、運命の導きだったのかもしれない。
潮崎&中嶋は同トーナメントを勝ち抜いて、第46代GHCタッグ王座に君臨。2019年2月に2度目の同王座返り咲きを果たした際に、タッグチーム名を「AXIZ」と発表。AXIZとは、中軸を意味するAXISに最初=Aから最後=Zという意味も加えた造語だ。
AXIZはタッグチーム名通りにタッグ戦線の中軸となり、時代に合わせて変化していくNOAHで2人が叩き込まれてきた“NOAHらしさ”を色濃く残していった。潮崎が逆水平チョップ、中嶋がミドルキックを相手の前後から果てどなく打ち続ける地獄の連係技「ENDLESS LOVE」や、激闘の試合後にダメージのある方がもたれかかるじゃれ合いのようなポーズが定番化し、AXIZは瞬く間に人気を博す。
同時に、プロレス界屈指のビジュアルを併せ持つタッグチームということで、2人の写真集「ENDLESS LOVE」も発売されるほどの一大ムーブメントだった。2019年6月にはGHCタッグ王座3度目の戴冠。2020年1月にはNOAHカラーの緑を背負った潮崎が清宮を破って、GHCヘビー級王座戴冠。同年5月には中嶋が杉浦を破って、GHCナショナル王座戴冠。AXIZが人気&実力を兼ね備えたNOAHの大黒柱になろうとしていたまさにその時、事件が起きた。
3. 突然のAXIZ解散
舞台は2020年8月30日、カルッツかわさき。潮崎&中嶋はレネ・デュプリ&イホ・デ・ドクトル・ワグナーJr.の返上したGHCタッグ王座決定戦で杉浦&桜庭和志に敗北。試合後、金剛の拳王が潮崎を罵倒していると、中嶋がマイクをつかんで「やってやるよ」。次の瞬間、潮崎をヴァーティカルスパイクでキャンバスに突き刺す。
「潮崎豪、アンタ、オレのこと、必要としてないでしょ。オレももうアンタを必要としてないんだ。はっきり言う。今日で終わりだ。そして、たった今からオレは金剛だ」
中嶋は潮崎との決別…つまりAXIZ解散と金剛入りを宣言。あまりにも突然の造反劇だったが、その火種は確かにあった。
潮崎はGHCヘビー級王者となってから「I AM NOAH」を旗印にNOAHのエースとして絶対的な存在感を放ち始めていた。一方の中嶋はAXIZ決別の26日前、拳王に敗れてGHCナショナル王座から陥落。自分が隣にいなくても常にスポットライトを浴び、NOAHの絶対的なエースになっている潮崎ともう一緒にいる必要がないと感じるのも当然だろう。
金剛入りを果たした中嶋は狂暴性に磨きをかけて、よりいっそうサディスティックなファイトに変貌。「N-1 VICTORY」で2020&2021年と史上初の連覇達成。2021年10月には丸藤を破って、4年2カ月ぶりにGHCヘビー級王者となると「オレがNOAHだ」と潮崎の「I AM NOAH」をオーバーラップさせる決めゼリフを語るようになり、2022年1・1日本武道館のメインでは潮崎の挑戦を退けている。
潮崎は同年3月に中嶋にリベンジを果たし、4月に藤田和之の返上したGHCヘビー級王座に返り咲いたが、6月に新日本プロレス・小島聡に敗れて陥落。9・3大阪後から右腕負傷によって長期欠場を強いられた。
4. 潮崎豪の復帰とAXIZ復活
8カ月ぶりの復帰戦となった5・4両国のセミファイナルで潮崎は中嶋に敗北。絶対的な輝きを放っていた「I AM NOAH」はもういないのか。試合後、中嶋は確認するように
「潮崎豪、なんだ? この無様な姿は。これがI AM NOAHなのか? あの強い強い潮崎豪はどこに行ったんだ? もう一度やってやろうか?」
とマイクで問いかけ、ボロボロの潮崎にビンタをしようとした。
しかし――。
ビンタは途中で止まった。
潮崎は中嶋の右手をがっちり握り返す。
リング上の拳王&征矢学は動揺を隠せない。
中嶋がマイクで「AXIZ、復活だ」と叫ぶと、潮崎の表情からの笑みがこぼれる。空白の2年9カ月を埋めるかのようなもたれかかるポーズを決めていると、両国国技館には2019年11月2日の同じ会場で初披露された「AXIZ」のテーマ曲が響く。
実に劇的な復活劇だった。
「もう金剛はオレを必要としていない。拳王はオレを必要としてない。オレももう必要ない。たったこの今からAXIZ復活だ。これからのAXIZ、見逃すなよ」
あえて中嶋は金剛入りした2年9カ月前と同じような言葉を引用した。現在のNOAHは元・全日本プロレスのジェイク・リーがGHCヘビー級王者として舵を取って、至宝が外敵に奪われている状態。同時に外国人選手たちが強烈に存在感を見せ始め、そのたぐいまれな潜在能力を開花させたワグナーがGHCナショナル王者として飛躍。元WWEのサクソン・ハックスリー&ティモシー・サッチャーがGHCタッグ王者となった。
そんな大きな転換期を迎えているNOAHで“I AM NOAH”潮崎と“オレがNOAHだ”中嶋が再び歩調を合わせた意味を感じずにいられない。キャリア20周年という大きな節目を前にしたAXIZがどんな第2章を描いていくのか。
(文/週刊プロレスNOAH担当 井上光)
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【5.14後楽園ホール大会情報】
「STAR NAVIGATION 2023」
・2023年5月14日(日)東京・後楽園ホール 開始 18:30/開場 17:30
■ABEMAでの視聴はこちら
■WRESTLE UNIVERSE(英語実況)はこちら
https://www.wrestle-universe.com/ja/lives/9fJmWj68LYYgBVM987Hzru
<チケット料金>
S席 | 8,000円 | 8,000円 |
A席 | 6,000円 | 6,000円 |
B席 | 5,000円 | 5,000円 |
レディースシート | 4,000円 | (限定発売) |
※車いすのお客様へのご案内はS席のご購入となります事をご了承ください。
プロレスリング・ノア事務所まで事前にお問合せください。(※お問合せはこちら)
※未就学児は保護者の膝上にて無料、大人1名につきお子様1名となります。
◆チケットの購入はこちら →https://eplus.jp/noah/
【全対戦カード】
<第8試合 メインイベント・タッグマッチ>
潮崎豪 中嶋勝彦 VS 拳王 征矢学
<第7試合・8人タッグマッチ>
ジェイク・リー アンソニー・グリーン YO-HEY タダスケ VS 清宮海斗 杉浦貴 小峠篤司 吉岡世起
<第6試合・シングルマッチ>
小川良成 VS Eita
<第5試合・タッグマッチ>
丸藤正道 HAYATA VS ショーン・レガシー ダンテ・レオン
<第4試合・6人タッグマッチ>
サクソン・ハックスリー ティモシー・サッチャー 鈴木秀樹 VS マサ北宮 稲葉大樹 稲村愛輝
<第3試合・タッグマッチ>
ダガ クリス・リッジウェイ VS 大原はじめ Hi69
<第2試合・シングルマッチ>
谷口周平 VS スタリオン・ロジャース
<第1試合・8人タッグマッチ>
AMAKUSA 宮脇純太 アレハンドロ ランセロット VS エクストリーム・タイガー ドラゴン・ベイン アルファ・ウルフ スペル・クレイジー
皆様のご来場、お待ちしております!