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勢いに乗ったアステカ戦士!Bブロック最注目の新世代ルチャドールは、父・祖父そして叔父の思いを胸に優勝を誓う!

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 8月11日の後楽園ホール大会で折り返しを迎えた「ABEMA presents N-1 VICTORY 2023」。そのBブロック内で勢いに乗るのが現GHCナショナル王者のイホ・デ・ドクトル・ワグナーJr.だ。星取りこそ2勝2敗とイーブンだが、後楽園3連戦の最終戦では優勝候補と目された潮崎に土をつけ、最高の形で前半戦を終えた。

 

会場ではNOAHファンから大きな声援を受けており、支持率も非常に高い。

後半戦も潮崎を破った勢いそのままに快進撃を見せるのか。現状、注目度No.1と言っても過言ではないワグナーだが、その潮崎戦のマイクアピールはスペイン語だったため、多くのNOAHファンにはその内容が伝わっていなかった。

本人からの改めてマイクアピールの内容を説明したいという希望もあり、緊急インタビューを敢行した。

 

【以下、選手インタビュー】

 

──8月11日の潮崎戦は勝利おめでとうございます! ジャベあり、チョップ&ラリアット合戦ありの末に最後はムーンサルトで決めて、集大成とも言える試合だったのでは?

 

ワグナー あの試合にはすごくナーバスになってました。基本的に、1試合の中で1つはジャベを出して、1回は場外にダイブしてと考えているんですが、みちのくドライバーは父のドクトル・ワグナーJrが使っていた技だし、最後のムーンサルトは叔父のシルバー・キングがフィニッシュにしていた技なので、彼らの思いを込めて使いました。潮崎選手が得意なチョップを打ち返したのでチョップ合戦になりましたが、今もあざが残ってます(と、首から胸元の赤黒いあざを見せる)。

──大変でしたね(笑)。昨年のN-1 VICTORY公式戦では潮崎選手に敗れていました。そこから成長できた点はどこでしょう?

 

ワグナー あの試合も後楽園ホールでした。あの時に豪腕ラリアットで負けたのを覚えていたので、今回は自分もラリアットを出しました。潮崎選手に経験では敵いませんが、この1年間必死に練習していろいろと考え、やれることをじっくりとやって経験の差を埋めようとしてきました。その結果がこの勝利だと思います。

 

──試合前も試合後も場内のお客さんの「ワグナー・コール」がすごかったですね。

 

ワグナー NOAHファンの皆さんの声援は聞こえていました。潮崎選手の世代から自分たちの若い世代にバトンが渡されたことを感じてくれたのかなと思います。あのリングで感じたことは二度と忘れられないですね。

 

──試合後、スペイン語でマイクアピールしていましたよね。あれはどういう内容だったんですか?

 

ワグナー あれは父がメキシコの会場でよく言う言葉をアレンジしたものなんです。父は「ここは俺の家で、みんな(観客)は家族だ。みんな俺をリスペクトしてくれて、俺はいつも感謝している」と言うんですが、僕は「ここ」を「NOAH」に変えて言いました。

 

──なるほど、だからスペイン語だったんですね。

 

ワグナー 潮崎戦後、父がアレナ・メヒコでああ言っていた時と同じ気持ちになっていました。後楽園ホールは世界のプロレス界の聖地なので、言わずにはいられなかったんです。後楽園ホールだからこそ、あの言葉が出ました。

──また今回のN-1 VICTORYから、ガウンとマスクが新しくなりましたよね。

 

ワグナー 今までは、父や祖父のドクトル・ワグナーに近い白いマスクやコスチュームを身につけるには、自分がまだ未熟かなと思っていました。でも、今だったらかなり自信を持って白いマスクをつけられるなと。それに僕は初来日がN-1 VICTORYで、すごく思い入れのあるシリーズなんです。だから父や祖父に寄せた白いマスクとガウンを用意しました。8月9日の後楽園大会でかぶったマスクは父のものと同じデザインで、11日の潮崎戦のは祖父のものに近いんです。

 

──逆に、これまではカラフルなアレンジのマスクでしたよね。それが3世であるワグナー選手の打ち出したい個性なのかと思っていたんですが、やはり「白」がワグナー家の本道というイメージなんですか?

 

ワグナー これは僕らのような2世・3世レスラーなら誰でも通る道なんだと思いますが、父や祖父と同じマスクやコスチュームだと、どうしても彼らと比べられてしまうし、自分は自分なのに、同じレスラーかのように見られてしまうんです。だから自分の道を切り開くという意味でオリジナルのマスクをかぶっていたんですが、ここまでくると自分に自信もついて、経験値も上がってきたので、「今ならワグナー家伝統のマスクをつけても自分を見失うことなく、2つの道を両立させていけるところまできた」と思えたので、このマスクをかぶることにしました。

──ちなみにマスクは、キャリアの最後まで守り通したいと思っていますか?

 

ワグナー 分からないですね(笑)。祖父も父も、叔父もマスカラ・コントラ・マスカラ(敗者マスク剥ぎマッチ)で敗れて、マスクを取られてしまいました。そういう流れが続いているけど、自分はそうならないようにしたいですね。

 

──お父さんも叔父さんも、マスクを取ってもすごくカッコよかったですよね。その家系ということは、ワグナー選手も素顔でファイトしても人気が出そうな気がしますが……。

 

ワグナー (照れながら)僕の身近で素顔を知っている人は「素顔の方が人気が出るよ」と言ってくれるんですが……僕自身は、マスクなしで試合をする想像がつかないですね(笑)。マスクなしでリングに上がったら、どう振る舞っていいか分からなくなって混乱すると思います。

 

──今、NOAHのリングでは唯一のヘビー級ルチャドールとして戦っています。そこにはどんな思いがありますか?

 

ワグナー そこについては気分がいいですし、うれしいことです。これまでワグナー家はみんなジュニアヘビー級で戦ってきましたが、僕と弟(ガレノ・デル・マル)はヘビー級で、今メキシコでも僕らより体が大きいルチャドールはほとんどいません。僕らは世界中でのどこでも戦えるし、それはNOAHのリングでも証明できていると思います。ワグナー家の中でも新しい歴史を築いているし、ルチャの歴史の中でも他に類を見ない存在として、新しい時代を築けているのは自分でもとてもうれしいです。父も新日本ではジュニアヘビー級でしたしね。

 

──そのお父さんですが、彼の活躍を自分が超えたという自信はありますか?

 

ワグナー それは比べられないですね(笑)。父には父の時代、叔父には叔父の時代がありましたし、僕は僕の時代を築いているつもりです。弟も弟の時代を築こうとしていますし。自分にとってプロレスは仕事というより人生そのものなんです。

 

──もともと持っていたルチャのテクニックに加えて、NOAHのリングではさらにいろんなものを吸収していると思いますが、それによってご自身のファイトスタイルは完成できていると思いますか?

 

ワグナー まだ磨いている途中で完成とは言えませんが、ルチャのベースにNOAHで学んだ日本流のテクニック、それとアメリカでの活動で学んだものを加えて独自のスタイルを作っていて、それはうまくいっていると思います。これからもいろんなものを融合していきたいですね。

 

──今のNOAHでは、ユニットにも属していないし、正式なタッグパートナーもいない状態ですよね。杉浦軍がなくなって、鈴木秀樹選手のREALに行くのかなとも思ったんですが。そこはどう考えていますか?

 

ワグナー 杉浦軍時代は、杉浦さんにすごくよくしてもらったし、いろんなものを学べて感謝しています。ただ、現状にも特に不満はないんです。REALも面白いユニットだとは思いますが、加入するということは考えませんでした。いずれは自分独自の、アステカ戦士の軍団みたいなものを結成してみたいなとも思っています。

 

──N-1の話に戻ります。N-1は他のシリーズと違って世界のさまざまな相手とハードなシングルの連戦になりますが、戦っていていかがですか?

 

ワグナー 確かにいつもハードですが、特に今回の後楽園ホール3連戦はものすごく疲れたので、その後の土日は何もせず、ゆっくり休んでいました。今回のBブロックで特に手強い相手が中嶋勝彦選手と潮崎豪選手だったんですが、その2人との対戦がこの3連戦の中に入っていたので、本当に疲労困憊で。その代わりに新たな発見もたくさんあるし、いろいろと見えてきたものもあったので、やり通せてよかったなと思っています。すごくしんどかったですけどね(笑)。

 

──今年はナショナル王者として参戦していることもあって、余計に負けられない気持ちが強いのでは?

 

ワグナー 実は、メキシコに帰っている間に肩を痛めてしまって、そこがちょっと気になる部分ではあったんですが、やはりナショナル王座のベルトを持っているということはNOAHの顔の一人ということなので、絶対負けられないと思っています。ここまで公式戦で2回負けてしまっているのは僕自身かなり衝撃で、体力もだいぶ奪われてはいますが、もっともっと鍛えないといけないなと思っています。やり過ぎないようにしないといけないですけどね。ただ週末にしっかり休みましたし、残りの公式戦に向けてコンディションは整っています。

 

──いよいよリーグ戦も後半戦に入ります。そこへの意気込みを教えてください。

 

ワグナー 公式戦はあと3試合残っていますが、一番警戒しているのはサクソン・ハックスリーです。彼は何だかいつも怒ってますよね(笑)。征矢選手には一回勝ったことがありますし、安齊選手も才能あるルーキーだとは思いますが、経験ではかなりの差があります。やはり警戒すべきはサクソンですね。

 

──では最後に、日本のファンにメッセージをお願いします。

 

ワグナー 日本のファンの皆さんには本当に感謝しています。試合中にもらえるワグナー・コールは大好きですし、とても力になっています。もちろんメキシコのファンも応援してくれていますが、それとはまた違った熱があると感じています。皆さんが応援してくれればより力が入るので、N-1 VICTORYの残り3試合、そしてその先ももっとたくさんの応援お願いします!

(文・高崎計三)

【イホ・デ・ドクトル・ワグナーJr.選手 公式戦】

■8月20日(日)北海道・シャトレーゼ・ガトーキングダム・サッポロ大会 vs安齊勇馬

■8月26日(土)宮城・仙台PIT大会 vs サクソン・ハックスリー

■8月27日(日)神奈川・カルッツかわさき大会 vs征矢学

 

■ABEMA presents N-1 VICTORY 2023 特設サイトはこちら

 https://www.noah.co.jp/n12023/

 

皆様のご来場、お待ちしております!

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