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【大岩陵平インタビュー】NOAH武者修行の集大成!9.14後楽園ホール、清宮海斗とのNOAHラストマッチを見逃すな!

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 9月14日(土)「STAR NAVIGATION 2024」東京・後楽園ホール大会で清宮海斗とのNOAHラストマッチを行う大岩陵平にインタビューを行った。

NOAHラストマッチを迎えるに際し、現在の心境はどのようなものなのだろうか。


【選手インタビュー】

――丸1年間、新日本から離れてNOAHマットで闘ってきましたが、1年前と比べると体の厚みが増したように見えます。


大岩 試合はもちろんですけど、トレーニングもみっちりと集中できた1年でしたね。体重は一時期110kgまで増えました。


――110kgは相当、増えましたね。


大岩 そうしたら小川(良成)さんから「落とせ」と言われまして(苦笑)。


――さすがに重すぎだと(笑)。


大岩 1年前に来たときは103kgだったんですけど、いまは100kgぐらいなので体重的にはちょっと絞れている感じですね。


――新日本と比較するとNOAHは試合数の面ではゆとりがありますし、より日々のトレーニングに割ける時間も増えた感じですか?


大岩 自分の時間が多く取れるようにはなりましたね。新日本のヤングライオン時代は先輩の洗濯とかもあったんですけど、それもなくなったのでトレーニングなどに集中できる時間は増えました。


――リング上の面に関しては、どのような1年でした?


大岩 いま思えば、凄くあっという間でしたね。去年9月に初めてNOAHに来たときから、本当に濃密な1年でした。


――一般的な若手選手は海外遠征を経験しますが、国内の他団体での武者修行はあまり前例のないことでした。


大岩 自分自身、NOAHで学びたいと思っていたタイミングで清宮(海斗)さんが誘ってくださった形でしたけど、いまとなっては来てよかったなと思うし、とてもいい経験をさせてもらいましたね。


――来てよかったと感じたのは、どのような部分ですか?


大岩 新日本ではあまりやらないような闘い方を教わったことですかね。あと、自分の成長であったり、強くなっていく過程を(新日本の)ファンの人にも見ていただいて、応援してもらえたというのは、国内武者修行のメリットだったと思います。


――自身の成長過程を追ってもらえたのも、やりがいの一つだったわけですね。最初のうちは清宮選手に練習で教えてもらうことが多かったんですか?


大岩 組んでいたときは毎日のように道場でいっしょに練習をして、ちゃんこを食べてという感じでしたね。


――具体的に新日本とはどのような部分で教え方に違いがありました?


大岩 新日本は腕立て、スクワットとかを何百回とこなして、そのあとスパーリングをやることが多いんですけど、NOAHの場合は腕立て、スクワットとかを何百回とやったあとに、徹底的に受け身の練習をやるんですよね。受け身の数が違うなというのが、ボクが感じた違いですかね。


――デビュー以降の受け身の練習に関しては、NOAHの方が多いように感じたと。


大岩 あと、新日本では学んでいない受け身の取り方も教えていただいたので勉強になりましたね。どう落とされても受け身が取れる自信がつきました。


――先日の9・1大阪大会でABEMAの解説を務めた小川さんが、大岩選手の指導もおこなっていたことを明かしました。実際、小川さんの指導はいつぐらいから受けていたんですか?

大岩 去年9月のNOAHでの1戦目(清宮&大岩vs小川&ザック・セイバーJr)のあとから、みっちりと1年間、ずっと見ていただきました。


――大ベテランの小川さんからの指導ですし、気後れする部分はなかったですか?

大岩 最初は凄く緊張しました。いつも開場前のリング上で教えていただいたんですけど、たとえば「オマエ、これやってみろ」って言われて受け身を取っても、「全然違う」っていう感じで。そういうところからも新日本とNOAHの違いを感じましたし、しっかりとNOAH流の闘い方を学べました。


――清宮選手と小川さんの2人から指導を受けたことで、より深くNOAHのプロレスに触れることができたと。


大岩 組んでいたときまでは道場では清宮さん、試合会場では小川さんに教えていただいて、凄く贅沢な時間だったと思います。


――大阪大会のときの解説で小川さんからは「もう2、3年見たかった」という言葉もありました。


大岩 その言葉は直接、言ってもいただきました。もちろん嬉しいですし、名残惜しさもありますけど、その言葉を有り難く受け止めさせていただきます。


――NOAHに来てから、新日本時代と闘い方を変えようという考えはあったんですか?


大岩 NOAHに来た当初は、ここでどんなことを学ぼうかなとか、あやふやな感じだったんです。でも、NOAHで闘っていくうちに、たとえば1点攻めを学びたいとか、こういう闘い方をしたいなとか思うようになりました。


――NOAHでの闘いを振り返ると、基本技をより掘り下げていたような印象があります。


大岩 新日本の若手時代から大技に頼るわけではなく、基本技をガッチリと固めていこうという気持ちがあったので、NOAHではそれをさらに深めていった感じですね。


――清宮選手とのコンビでは昨年末に新日本のタッグリーグに出場し、NOAHの『Victory Challenge Tag League』では優勝を飾りました。清宮選手と組んでいた約8カ月間は、どのような期間でしたか?


大岩 タッグの闘い方を学べた期間でしたね。最初はお互いに「こうしよう」「ああしよう」と相談しながらやっていたんですけど、段々と2人でアームドラッグで投げて、ドロップキックをしたりとか息も合ってきたんです。そして、完全に息が合ってきたなと思ったのが、『VC TAG LEAGUE』の優勝決定戦でしたね。


――サクソン・ハックスリー&ティモシー・サッチャーと対戦した試合ですね。


大岩 その日はまず公式戦で潮崎(豪)さんと小峠(篤司)さんと対戦したんですけど、けっこう自分が攻められた中でも清宮さんが救ってくれたような感じの試合になって。そして優勝決定戦は大きい外国人選手2人が相手で、自然と2人で繰り出した攻撃もあれば、きちんと作戦を立てた攻撃もあって、“これがタッグか”っていう手ごたえを得られたんです。本当にタッグの闘い方が理解できて、タッグとしてこれからだっていうところでコンビを解消することになったので……そういう部分での悔しさはありますね。


――5月に清宮選手が拳王選手と共闘する形で、『ALL REBELLION』が結成されました。一連の清宮選手の行動はどのように見ていたんですか?


大岩 その少し前まで清宮さんと拳王さんはバチバチにやり合っていたはずなのに、それが急に裏切られた形になって理解が追いつかなかったですね。「なにをしているんだろう?」っていう感じで。


――5・21後楽園大会で清宮選手からあらためて共闘を呼びかけられた際には「オマエの都合で生きてるわけじゃない」という言葉とともに、拒否の姿勢を見せました。


大岩 その言葉がすべてですね。清宮さんにそんな好き勝手に動かれたら、こっちも困りますし。

――ある意味、清宮選手の操り人形ではないという意思表示にも見えました。


大岩 ボクはボクでしっかりと強くなるためにNOAHに来たので、仮にあそこでチームに入ったところで、ボクの理想の武者修行にはならないかなと感じました。


――清宮選手と離れたことで、それまでの修行期間と意識は切り替わりましたか?


大岩 それまでは明確に誰を倒したいとかはなかったんですけど、そこ(清宮選手と離れたこと)で大きな敵ができたというか。清宮海斗を倒すためにはどうしたらいいのかと、自分で考えて動くようになりました。そこが武者修行の第2章の始まりでしたね。


――第2章に臨むにあたって、どのような意識の変化がありました?


大岩 清宮海斗と別れるまでは隣にあの人がいて、ちょっと守られている感じの武者修行だなって自分でも感じていたんです。でも一人になったことで、これからが本当の武者修行だなって思いましたね。


――一人の力でどこまでできるかという部分で、『N-1 VICTORY』にも一番乗りでエントリーのアピールをおこないました。


大岩 ここでリーグ戦に出なきゃというのもありましたし、シングルでしっかりと結果を残していきたいという気持ちもあったので、アピールしたのも自然なことでしたね。


――最終的にリーグ戦は3勝3敗1分けで終えましたが、印象に残っている公式戦はありますか?


大岩 やっぱり清宮海斗との試合ですね。NOAHに来て1年間やってきて、間違いではなかったなと思えた試合でした。


――結果は30分引き分けでしたが、試合内容という点では納得できるものがあったと。


大岩 あの試合でボクの出した技はほぼすべてがNOAHに来てから学んだもので、NOAHで学んできたからこその攻め方、相手の追い込み方ができて、自分の中でターニングポイントになった試合ですね。


――アームドラッグを軸とした腕攻め、そして執拗なヘッドロックといった基本技で試合を組み立てま

した。


大岩 NOAHで吸収してきたものがしっかりと出せたなと思いました。あとリーグ戦で言うと、DRAGONGATEから参戦したルイス・マンテとの試合も印象に残ってますね。メキシカンと試合をすることが初めてで、しかも大柄でどういう試合の組み立てをしたらいいのか、最初は分からなかったんです。


――未知の部分だったと。


大岩 でも、しっかりと腕攻めができたり、NOAHで学んできたことを自分なりに考えながら試合を組み立てることができたので、そこは自信になりました。


――リーグ戦の同ブロックにはジョシュ・ブリッグス選手がいましたが、WWE・NXT所属選手と新日本所属選手が対戦したのは、貴重なことだったと思います。


大岩 初戦で当たったんですけど、ボクの体の状態も万全で100%の状態で挑んでも、見事にパワーでやられた感じでしたね。どこのリングになるか分からないですけど、いつか借りを返したいです。


――DRAGONGATEやWWEの選手など、さまざまなバックボーンを持つ相手と対戦できたという意味では、海外遠征と同じような経験ができたのかなと思います。


大岩 そういう意味でも自分にとって実になったリーグ戦だったと思います。


――同ブロックで引き分けた清宮選手が優勝したのは、どのように見ていましたか?


大岩 リーグ戦の2戦目で闘って引き分けたんですけど、そのあと自分はリーグ戦の厳しさを味わったというか、どんどんとペースが落ちてしまったんです。でも、清宮海斗は逆に後半になるにつれてペースを上げているように見えたので、そこはしっかりと負けを認めるしかないですね。確かに試合は引き分けでしたけど、そのあとのリーグ戦全体を見たらしっかりと負けました。


――9・1大阪大会のバックステージでNOAHからの“卒業”を宣言しました。どのタイミングで、そのような決断を下したんですか?


大岩 NOAHに来たときからズルズルと長くいるつもりはなくて、1年ぐらいを目安にとは思ってました。ただ、(卒業の決断の)決め手になったのは、リーグ戦で清宮海斗を闘ったことですね。あの試合で学んできたことが出せて自信がついたのが、決め手でした。


――その上で卒業マッチの相手に清宮選手を希望しました。

大岩 『N-1』で決着がつかなかったこともそうですし、清宮海斗を倒さないと自分の区切りにもならないなと思ったので。


――これまで1敗1分けで、3度目のシングルで勝利した上でNOAHでの武者修行を終えたいと。


大岩 3度目のシングルですし、組んでいたときから清宮海斗がどういうレスラーかというのはしっかり分かっているつもりなので。シャイニング・ウィザード、ドラゴンスクリューといった流れを変える技に気をつけて、あとは自分のペースにどう持っていくかがポイントになると思います。


――卒業試験というか、NOAHでの集大成のような試合になると思います。


大岩 学んできたことをすべて出すつもりです。NOAHでいろいろなことを学ばせていただいたので、ボクが勝つことが恩返しになるかどうかは分からないですけど、そういう気持ちも持って挑みます。


――1年間でNOAHのファンの思い入れも背負うような存在になったとも思います。


大岩 新しい道でもNOAHで学んだことは忘れたくないし、しっかりと試合で出したいとも思っているので、NOAHから離れても応援していただけたら嬉しいです。


――新しい道に関しては、現時点でどのようなものを思い描いているんですか?


大岩 いまはノーコメントでお願いします。そこは楽しみにしていただいて、今度の後楽園が終わったあとを見ていてください。


――最後にあらためて9・14後楽園での清宮戦に向けての意気込みをお願いします。


大岩 NOAHでの1年間の集大成になると思うので、出せるものはすべて出して、いまの自分の100%で清宮海斗を倒しにいきます!

(文・市川亨)

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