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【インタビュー】“NOAHを世界に届ける”GHCヘビー級王者・清宮海斗の見据える未来とは!?

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713日の日本武道館大会で二度目のGHCヘビー級王座防衛に成功した清宮海斗に話を聞いた。同世代対決となったYOICHI(現・稲村愛樹)との一戦や、8月より開幕する“ABEMA presents N-1 VICTORY 2024”について、現GHCヘビー級王者は何を思うのか。

 

【選手インタビュー】

 

――まず713日本武道館大会のことを振り返ります。生え抜きの同世代とのGHCヘビー級戦となったYOICHI(現・稲村愛輝)選手との闘いはいかがでしたか?

 

清宮 海外から帰って来た稲村の本当の実力だったり、どれだけのスキルを身に着けてきたかっていうのはシングルで闘ってみないと分からないなと思っていたんですけど、実際に日本武道館のメインイベントで肌を合わせてみて、「これはNOAHの未来が楽しみだな」と思いましたね。

 

――実際、試合を見ていても稲村選手の勢いは凄まじいものがありました。

 

清宮 海外だと自分よりもデカい選手もたくさんいただろうし、いろいろと経験をしてきたことをふるいにかけて、自分の中で自信があるものを凝縮してきたように感じましたね。

 

――清宮選手の想定を超える実力の高まりを感じたと。

 

清宮 ボクが海外にいたときとはプロレスも進化していて、その中で稲村はスキルを磨いてきたんでしょうし、本当に想定以上のモノを感じました。

 

――頼もしいライバルが一人増えたという感じですか?

 

清宮 現時点ではまだライバルではないですね。これからライバルになるには今からさらに上がって来ないといけない。海外から帰ってきた直後は自信があるのは当然ですし、むしろ負けてからどうやって上がってくるのかっていう。負けてから這い上がる力っていうのが、これから見ものですね。

 

――同世代で武道館大会のメインを締めることができたのは、過去の王者時代と比較しても特別な気持ちはありましたか?

 

清宮 ありましたね。ボクが日本武道館のメインに立ったのも初めてで、これが新しいNOAHだなって。入場したときから「自分が引っ張って行くんだ」っていう気持ちになったし、試合が終わって武道館の景色を見たときにも、「ここからまたNOAHの第1章が始まったな」って思いましたね。

 

――スタートを切ったという感覚なんですね。

 

清宮 革命の第一歩ですね。これからNOAHがどんどん良くなっていく空気みたいなものを感じました。

――ちなみに一つ前の試合でおこなわれたAJスタイルズvs丸藤正道への意識はありましたか?

 

清宮 意識はしましたけど、いいプレッシャーでしたね。世界のトップの選手とダブルメインという形で比べられるだろうとは思っていましたけど、それこそ自分と稲村にしかないものもあると思っていたので。(AJvs丸藤とは)まったく別で考えて、むしろ自分と稲村の試合を(PPVを通して)世界に発信できる、見せられるんだっていうプラスの方向で考えていました。

 

――NOAHらしさを世界に届けられるチャンスと捉えていたわけですね。

 

清宮 いまのNOAHを届けるっていうことですね。自分が海外にいたときにも経験したんですけど、それこそ三沢(光晴)さんとか小橋(建太)さんの話は向こうの選手からもよく出てきたし、それだけこれまでのNOAHのことは知られているんですよね。でも、そういう中で自分は「いまのNOAHを見せたい」というのをずっと思っていたんです。今度の『N-1VICTORY)』にもNXTから2人参戦しますし、これから日本だけではなく世界に発信できるチャンスはより広がってくると思うので、本当に楽しみですね。

 

――武道館のメイン後には『N-1』出場メンバーが勢ぞろいするという場面もありましたが、その中で同じAブロックの大岩陵平選手が最後まで清宮選手の眼前に立って視線を送っていました。

清宮 それぐらい思うところがあるんでしょうし、そのとき彼から感じた気持ちを真っ向から受け止めるつもりです。いっしょにタッグでやってきて、それぞれ別の道に進んで、「清宮海斗をぶっ潰す」と言うのであれば、自分は徹底的に返り討ちにするまでですね。でも、目の前にいたのはGHCヘビー級チャンピオンなんだから、もっともっと来てくれないと。こっちはそんな噛みつかれただけで揺らぐものじゃないので。

 

――Aブロックのほかのメンバーを見て、どのような印象を持ちました?

 

清宮 個人的に気になるのは、潮崎(豪)選手ですね。

 

――昨年のリーグ戦覇者であり、現在は『TEAM NOAH』を掲げています。

 

清宮 自分はいまNOAHを新しく変えていくつもりで動いていますけど、『TEAM NOAH』は過去のNOAHを取り戻すと言っている。その真意は闘ってみないと分からないものだと思っているし、自分がNOAHを新しく変えていこうとしている中で、団体内に反対の意見を持っている選手がいるのであれば、白黒をハッキリとつけないといけないと思っています。

 

――721後楽園では潮崎選手と6人タッグで対戦しますが(潮崎&マサ北宮&大岩組)、清宮選手のパートナーにはジャック・モリス選手とドラゴン・ベイン選手が名を連ねています。特にGLGを解散後のモリス選手とのタッグに関しては、どのような思いがありますか?

清宮 楽しみですね。ジャックとはGHCタッグ、シングルのベルトを懸けても対戦しているし、本人も(タッグ&GHCナショナルの)2冠の時期があったし、いま一番乗りに乗っている選手と言っても過言じゃないですよね。GLGという括りがなくなって、どういう自己主張をしてくるのか。これまで敵だったのが、後楽園ではタッグを組むことで、また新しいものが生まれてくるかもしれない。それぐらいジャックの可能性というのはいまのNOAHにとって大きいものだと思っているので、それを後楽園のお客さんにも感じてほしいし、自分にとっても刺激的なことですね。

 

――現状、どこのユニットにも属していないモリス選手と組むことで、また別の関係性が生まれる可能性もあると。

 

清宮 そこは試合をしてみてですよね。そういうのも含めて楽しみです。

 

――昨年は新日本プロレスの『G1 CLIMAX』にエントリーしていたため、『N-1』には2年ぶりの出場となります。

 

清宮 去年は外から『N-1』を見ている立場でしたけど、『G1』に出ながらも同時に『N-1』の盛り上がりも感じていたんですよ。『G1』に負けてほしくないなって思っていたし、今年も『G1』と開催時期がかぶっているので、そこも闘いですよね。

 

――『G1』にも負けないような熱量を、GHCヘビー級王者として『N-1』から発信していきたいと。

 

清宮 もちろんですね。

 

――過去、GHCヘビー級王者としてリーグ戦を制覇した選手はいません。

 

清宮 もちろん狙っていきたいですし、それがまたNOAHの新しい歴史を作ることにもなるので。自分が『N-1』を引っ張って行くことで、いまのNOAHの新しい流れを続けていかないといけないし、ここで止まってはいられないので。それこそどの試合、どの大会でも、自分の試合が一番印象に残ったと思ってもらえるものを見せていきたいです。

 

――ちなみに反対のBブロックで気になる選手はいますか?

 

清宮 もちろん同じユニットの拳王と決勝で当たりたいという気持ちもあるけど、たとえば佐々木憂流迦選手とか、初出場の選手に上がって来てほしいという思いもあるんですよ。いまのNOAHの中で本当に厳選された選手が『N-1』には揃っていると思うので、初出場の選手であれ、誰とやってもスゲー闘いを見せられると思っている。あとは最初にも言ったように、ここで稲村がどれだけ自分の気持ちを出していけるかも楽しみですし、あとNXTのジョシュ・ブリッグス選手とは初対決になりますけど、初対決って一番可能性を秘めていると思うんですよ。

 

――それこそ昨年の『G1』は初対決が多かったですしね。

 

清宮 初対決の選手と当たることで、また自分の中でも「こうしたいな」とか新たに思うことが出てくるし、あと去年『G1』で対戦したゲイブ(・キッド)じゃないけど、その先につながっていく可能性もあるので、そういう楽しみもありますよね。

 

――それにしても昨年の『G1』出場からのこの1年はいろいろなことがありましたね。

 

清宮 本当にいろいろなことがあって、この1年は時間が経つのが早かったですね。団体の中だけじゃなくて、外も見ながらやってきた1年だったので、ある意味NOAHを俯瞰して見ることもできた。メチャクチャ自分にとっては濃い経験になっていますね。

――NOAHを俯瞰して見ていた中で、気づいたことなどはありましたか?

 

清宮 ありましたね。もっと選手一人ひとりが存在感を出さないとなっていうのは思いました。NOAHの上の選手たちはそれぞれに発信とかもしていると思うんですけど、一方でなかなか下が付いてきてないなと感じたので、俯瞰した状態からNOAHに戻ってきたときの一つのテーマとして下の世代を引っ張っていきたいなというのは思っていました。

 

――存在感を出すというのは、もっと積極的に発信、アピールをした方がいいということですか?

 

清宮 いち後輩という部分で収まっているところが大きいかなって。デビューしたらキャリアは関係なく同じレスラーなわけですから。一人ひとりのプロモーションじゃないけど、現状は若いキャリアの中から飛び出せていないように感じるので、もっと自己主張してほしい。でも、それには自分たちが見せていかないといけないし、「清宮がこんなことをやっているんだから、俺たちももっとやっていこう」って思ってもらえるようにしたいです。

 

――リング上の闘い以外の部分でも下の世代を引っ張り上げていきたいと。

 

清宮 全部、変えたいなと思っています。

 

――『N-1』を終えたあとにはなると思いますが、今後のGHCヘビー級王座の挑戦者に求めているものなどはありますか?

 

清宮 『N-1』次第ではありますけど、リーグ戦を通す中で誰が本気でベルトを取りに来るのかっていうのを楽しみにしているので。『N-1』だけじゃなくて、今度の後楽園(721)からもう闘いは始まっているし、どの選手がどれだけ主張をしてくるのかっていう。

 

――ベルトへの思いであり、NOAHを新しく変えていきたいという思いを強く主張してくる選手が理想だと。その中で、NOAHが関係を強化しているWWEの選手への興味はありませんか?

 

清宮 状況としてはNOAHを世界に発信できるチャンスだと思うし、リーグ戦にもNXTの選手が参加することで、『WRESTLE UNIVERSE』(レッスルユニバース)を通して世界中のファンをNOAHに引っ張ってくることができるきっかけにもなると思う。もちろん個人的に(WWEの選手と)試合をするのも楽しみだけど、いまは誰が相手であってもGHCヘビー級王者として自分の試合を通してもっとNOAHを世界に届けて、広めていきたいという気持ちが強いです。

(文:市川亨)

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■7.21後楽園大会 詳細は こちら

 

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