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【齋藤彰俊引退試合に向けて!丸藤正道インタビュー】齋藤さんのNOAH初戦で対戦を直訴したのは「オイシイな」と思ったから 引退試合ではお互いの悔いのない闘いをしましょう…全力で叩き潰す!

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 11月17日、愛知・ドルフィンズアリーナにおける齋藤彰俊の引退試合の相手は齋藤本人の指名により丸藤正道に決まった。丸藤は齋藤にとってNOAH初参戦の時の相手でもあり、一度はフリー契約選手になった後に再入団を呼びかけてくれた人間でもある。指名された丸藤はどんな想いで、どんな覚悟を持って齋藤彰俊と相対するのか?(聞き手/小佐野景浩)


――11月6日の後楽園ホールでは杉浦貴選手とのGHCヘビー級王座挑戦者決定戦に敗れてしまいましたが、その直後に齋藤選手から引退試合の相手に指名されました。


丸藤 まず杉浦貴とのシングルマッチの結果がああだったからっていうのもあると思うし、その状況で恐らく齋藤さんの中で僕なのか、杉浦さんなのかっていうのがあったのかなあという気持ちがありつつ、ずっと心のどこかでは「俺、どうですか?」っていう気持ちもあったんですよね。あの言葉を聞いた時は、試合には敗れましたけども、嬉しい気持ちがありましたね。


――齋藤選手が2000年10月11日、愛知県体育館(現ドルフィンズアリーナ)で初めてNOAHに上がった時、丸藤選手が対戦相手でしたけど(丸藤&井上雅央vs青柳政司&齋藤)、本当は丸藤選手ではなく、橋誠&雅央が対戦する予定だったんですよね。


丸藤 錦糸町で三沢(光晴)さんに直訴しました。NOAHが旗揚げして間もないですけども、NOAHの中にももちろん刺激っていうのはいっぱいあったんですけども、外から来る人間…しかも畑もまるで違うし、畑どころか競技も違うところから出てきた人間がNOAH上がってくるっていうのは「オイシイな!」と思って。僕も若かったんで「ちょっと行きたいな!」っていう。それで三沢さんに直訴して行かせてもらった感じです。


――齋藤選手は空手家で、しかも新日本プロレスで活躍した選手ですが、いざ戦ってみていかがでしたか? 試合は丸藤選手が齋藤選手のスイクルデスでフォールされました。


丸藤 今思えば、今よりはまだプロレスに適応していない部分もあって、試合の中のギクシャクしている部分がすごく刺激的で。こっちもNOAHの人間としてプライドがあって上がっていて、結果は負けてしまったんですけど、ちょっとワクワクしてましたね。


――そこからNOAHのプロレスにどんどんハマっていって、馴染んでいく齋藤彰俊というのをどう感じていましたか?


丸藤 そこにはやっぱりプロレスに対する愛というか、プロレスに真剣に取り組む姿勢というか、そういうものを直接感じてました。


――丸藤選手がジュニア・ヘビー級時代の2003年4月5日に同期の森嶋猛選手と組んで秋山準&齋藤選手のGHCタッグ王座に挑戦したことがありました(齋藤が丸藤をデスブランドでフォール)。ジュニア時代の丸藤選手にとってヘビー級の齋藤選手はどういう存在でしたか?


丸藤 いやあ、もう力も強いし、体幹とかも強いし、やっぱ強敵でしたよね。体も分厚いし。空手の前に水泳もやっていたわけでしょ。しかも水泳で国レベルの選手で、それっていうのが体の中に染みついているんだから、ひとりの競技者レベルの体を持ってる人間だったんで。やっても「効いてんのかな?」っていう部分もあったし、逆にやられると強烈だし。あの時代は齋藤さんの方が全然優勢でしたよ。

――齋藤選手は2006年1月1日付でNOAH所属になりましたが、三沢さんが亡くなった後、丸藤選手が副社長だった2012年1月から所属選手ではなくフリー契約選手になってしまいました。のちに丸藤選手は「齋藤さんはNOAHに立ってなきゃいけない人物だと思っていたけど、その時には俺はどうしようもできなかった」と言っていましたが…。


丸藤 そうですね。あまり会社の体制のことは言いたくないけど、寝耳に水とはまさにそのことだったんで、自分がどうこう言える立場ではなかったし、それを何か止めるとか変えるとかっていうのはその時はできなかったですね。


――それから2年半後の2014年6月13日に『三沢光晴メモリアルナイト』として開催された後楽園ホール大会で齋藤選手と一騎打ちを行い、試合後に「あまり口にしないけど、俺が三沢さんから教わったものはプロレスの技術でも技でもない。大事なのは(胸を叩きながら)ここだと思います。齋藤さんがこの緑のマットに、三沢さんに誰よりも一番熱い気持ちを持っているのはよくわかっています。矛盾だらけかもしれないけど、俺の願いを一つだけ聞いてほしい。再びNOAHの齋藤彰俊として、俺たちとこのリングを守ってください」と呼びかけました。


丸藤 フリー契約になった選手は他にもいたんですけれども、その中でも齋藤さんという人間はフリーとしてNOAHに上がり続けるのと、NOAHの所属としてNOAHに上がり続けるのとでは意味合いが全然違うと思ってて。当時、三沢さんのこと(08年6・13広島の試合で齋藤のバックドロップを食った直後に昏倒。その後、亡くなる)で「十字架を背負う」という言い方をしていた中で、あの人は多分、自分から「NOAHに戻りたい」とは言わないだろうし、言えないだろうし。だけど十字架を背負うという気持ちを持って生きていく中で、やっぱりこのNOAHというところにいないと齋藤さんもそうだし、恐らくファンの人もそうだし、心の置き所というか、そういうものがなくなっちゃうんじゃないかなって。なので齋藤さんにはNOAHに居続けてほしいと。それで、そういう言葉が出たと思います。


――あの日の試合で印象的だったのは齋藤選手が敢えてバックドロップを出したら、丸藤選手がすぐに立ち上がったことです。


丸藤 それはもちろんダメージはありますけど、齋藤さんの覚悟がわかっていたから。齋藤さんの中で断ち切るというのは難しいかもしれないけれども「またこのNOAHでやりたい!」っていう気持ちになってくれるんじゃないかと思って。


――あの試合で丸藤選手は自身のオリジナル必殺技のポールシフトと三沢さんのエメラルド・フロウジョンを合体させたポールシフト式エメラルド・フロウジョンで勝ちました。


丸藤 自分の中でも何か形としてしっかり見せなきゃいけないというのがあって。言葉にしても伝わる時と伝わらない時ってあるじゃないですか。伝えられない時もあるし、相手が受け止められない時もあるし。プロレスなら技で形として見せられるので、だからそのタイミングで出しました。


――そのポールシフト式エメラルド・フロウジョンで3週間後の7月5日の有明コロシアムで新日本の永田裕志選手からGHCヘビー級王座を奪取したんですよね。話を齋藤選手に戻しますと、2018年7月18日の後楽園ホールでタッグを組んで中嶋勝彦&マサ北宮のジ・アグレッションからGHCタッグ王座を奪取しました。あの時は世代闘争の真っ只中でしたが、齋藤さんの「若い者に簡単には譲らない!」という気迫は凄かったですね。


丸藤 そうですね、イケイケの齋藤彰俊というものを隣で見せてもらった感じですかね。僕自身も自分が目立つというよりはある意味、昔の秋山さんに似た考えかどうかわかんないですけど、巧く齋藤さんをコントロールすることによって試合内容もそうだし、結果もついてくるし、それが僕は楽しかったですね。


――ジ・アグレッションから王座を奪取した試合も、拳王&清宮海斗、マイバッハ谷口&コーディ・ホールとの防衛戦も最後は齋藤選手がデスブランドで勝っていましたね。虎王とスイクルデスのサンドイッチ攻撃など合体技もありました。


丸藤 最後は齋藤さんにつなげば必ず勝てるっていうイメージで僕もやってたんで。パートナーしての齋藤さんはやりやすかったし、さっき言ったように楽しかったし、言わなくても動いてくれるところは動いてくれるし、僕が持ってない気迫とかも出してくれるし。


――リングを降りた齋藤彰俊という人間の人となりというのは?


丸藤 人となりとしての齋藤さんは「いい人過ぎるでしょう」みたいな、ホントに(笑)。NOAHに上がってきた当時っていうのは、プライベートはまったく知らなかったし関わったこともないし、ご飯を食べたこともなし、お酒を飲んだこともないし。しばらく時を経て、何年か経って、ようやくそういう場で一緒になることがあったんですけども、顔も全然違うし、話し方も違うし、言い方が合ってるかわかんないけど、二重人格なんじゃないかみたいな。それぐらい普段は非常に和やかで健やかで、人間も出来てて、いい人ですよ。


――丸藤選手も齋藤選手もお酒が好きですよね。


丸藤 齋藤さん、お酒も強いし。最近、弱くなっちゃったけど(笑)。いやあ、もう俺の方が全然強いんじゃないですか? 最近、寝ちゃうから、齋藤さん(笑)。


――今年の7月13日、齋藤選手は日本武道館で潮崎豪選手に敗れた後に引退を表明した時にはどう思いましたか?

丸藤 僕はホント知らなかったんで、すごくビックリしたし、どこかには「なぜ?」っていう気持ちもあるんですけども、やっぱり引退とかっていうのは自分で思うところがあって、一大決心だと思うんで、齋藤さんがそう決めたなら引退するまでに関われたりとか、試合したりとか、齋藤さんが気持ちよくリングを降りられるように協力したいなあというふうにすぐに思いましたね。


――齋藤さんは引退表明後の9月1日の大阪でモハメドヨネ選手と組んで「骨の髄まで痺れる戦いをしなくて、俺にNOAHの何が語れる!?」と丸藤選手と杉浦貴選手のGHCタッグ王座に挑戦してきました。


丸藤 ホントに引退する人なのかなっていう勢いでしたけどね。ユニット(TEAM NOAH)を組んでるヨネさんの気持ちっていうのもあって、本気で獲ってやろうっていう気持ちは伝わってきたんで。まあでも、こちとら「引退する人間にベルトを渡してたまるか!」と思ってるんでね。勝ててよかったですね。


――今回の引退試合も齋藤選手は「最後までファイターなんで、譲らない!」と言ってます。


丸藤 譲られるぐらいなら試合しないですよね。俺はあの人が終わった後に後悔がないように全力で叩き潰したいですね。名古屋が最後なんだから、齋藤さんにも頭をフル回転してもらって、俺もフル回転させるし、悔いのない闘いをお互いにしましょうって感じですね。俺は負けないけど。


――最後に齋藤彰俊ファン、NOAHファンに向けてメッセージをお願いします。


丸藤 その日ばっかりは齋藤さんを応援してください。…その日だけじゃないのかな? 齋藤さんの最後の雄姿というものをしっかり皆さんの目に焼きつけてほしいんで、僕も心してその試合に挑みたいと思いますんで、ぜひとも会場の方で見ていただきたいと思います。よろしくお願いします。


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齋藤彰俊引退記念大会 Deathtiny

・日程:2024年11月17日(日)開始 15:00/開場 14:00

・会場:愛知・ドルフィンズアリーナ(愛知県体育館)

〇小中学生入場無料!

〇高校生シート 2,000円販売!

※どちらも当日のみ対応となります。


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