【月刊NOAH】激動のNOAHの7月を振り返る!そして舞台はN-1 VICTORY 2024へ!
7月のNOAHは上半期の総決算「DESTINATION 2024」7・13日本武道館に尽きる。
GHCヘビー級王者の清宮海斗は、海外武者修行から凱旋帰国を果たして勢いに乗るYOICHIの挑戦を迎え撃った。NOAH生え抜き同士の同タイトルマッチは史上初。歴史の新たなる1ページを刻んだ一戦は期待以上の好勝負となり、日本武道館に何度も重低音ストンピングを響かせた。
YOICHIがパワフルなファイトでメインイベンターの仲間入りしたことを印象づける一方で、そんな挑戦者のすべてをしっかりと受け止めた上ではね返したチャンピオンの強さも光った。清宮はこれまで2度のGHCヘビー級王者時代にいくたの修羅場をくぐり抜けてきたのである。その凄味と頼もしさが感じられる見事な防衛戦だった。
NOAHの未来を見せたGHCヘビー級選手権とともにダブルメインイベントとしておこなわれたのが丸藤正道vsAJスタイルズ。NOAHとWWEの関係強化第1弾として日米の“天才”対決が実現し、試合はキャリア26年の達人同士が熟練の技と衰えぬ身体能力で躍動した激闘となった。
試合はAJがスタイルズクラッシュで制したが、世界最高峰に食らいついた丸藤の真価も浮き彫りに。そんな一戦の後にも飲まれなかった清宮vsYOICHIのGHCヘビー級選手権も、間接的に評価を高めることになったと言えるだろう。
7・13日本武道館ではヘビー級のタイトル戦線でベルトの移動が相次いだ。GHCナショナル選手権は佐々木憂流迦がHAYATAをスリーパーホールドで仕留めて、プロレスデビュー半年で初戴冠。力皇猛のGHCタッグ王座1年9カ月を大幅に更新するGHCタイトル史上最速(AMAKUSAを除く)記録だ。
ZERO1の世界ヘビー級選手権は潮崎豪が15年ぶりに日本武道館のタイトルマッチで向かい合った齋藤彰俊を破って初戴冠。試合後には彰俊が引退を表明し、後日、11月17日に名古屋・ドルフィンズアリーナ(愛知県体育館)で「齋藤彰俊引退記念大会 Deathtiny」がおこなわれることが発表された。
タイトル戦線以外でもイホ・デ・ドクトル・ワグナーJr.が実弟のガレノ・デル・マルとNOAHで初めてタッグを組んで“ロス・ゴルペアドーレス”ドラゴン・ベイン&アルファ・ウルフと激突。大空中戦のルチャ・リブレで場内を魅了した。
拳王は新日本の永田裕志にシングルで勝利を収め、両ヒジ負傷欠場から4カ月ぶりの復帰戦となった征矢学はビルドアップされた肉体を躍動させ、ジャンピングDDTで3カウントを奪取。真夏のシングルリーグ戦「N-1 VICTORY 2024」に向けて、それぞれが熱くなり始めている。
「N-1 VICTORY 2024」出場者たちは7・21後楽園&7・28金沢でも自己主張を続けていた。8・4横浜武道館での「N-1 VICTORY 2024」開幕に向けて、すでにスイッチは入っている。現在のところ、GHCヘビー級王者の清宮が中心となることは間違いなさそうだが、WWE・NXTからジョシュ・ブリッグスとタビオン・ハイツという強豪の参戦も決定しており、誰が9・1エディオンアリーナ大阪の決勝に進出するのか!?
ジュニア戦線も大きな動きがあった。昨年11月からGHCジュニア王者として、近藤修司、Eita、大原はじめ、タダスケ、YO-HEY、アレハンドロ、スターボーイ・チャーリーの挑戦を退け“絶対王者”と化していたダガがついに敗北。6・9後楽園で10カ月ぶりに復帰したAMAKUSAが1年4カ月ぶりの返り咲きを果たした。
7・21後楽園ではGHCジュニアヘビー級タッグ王者のEita&近藤修司が“オール レベリオン”アレハンドロ&クリストバルの挑戦を退けて初防衛に成功。試合後には「もっと緊張感のある相手とやりたい。いつでも待ってるぞ」と語っていた。
そんな熱いNOAHの闘いから去る者もいる。これまで方舟の舵を握ってきたジェイク・リーだ。7・13日本武道館では自身がリーダーを務めてきたGood Looking Guys(GLG)を解散。試合後には新日本プロレスの外道が現れ、ジェイクをバレットクラブ・ウォードッグスに勧誘。これに応じたジェイクは詰め寄ってきたジャック・モリスにチョークスラムを決めると「グッバイ、NOAH」と捨てゼリフを吐いて新天地へと旅立った。すでに新日本プロレス真夏の祭典「G1 CLIMAX 34」に出場中だ。
ほかのGLGメンバーはそれぞれの道へとすでに歩みを始めている。モリスはことあるごとにジェイクへの怒りや敵意を示して、それを原動力にして「N-1 VICTORY 2024」に臨む。アンソニー・グリーンとLJ・クリアリーは帰国して、一旦NOAHから離れることを宣言。YO-HEYとタダスケはGLG解散の数分後にGHCナショナル王座から陥落したHAYATAに接近して、元RATEL’Sの3人が共闘することになった。
元RATEL'Sは7・21後楽園で快勝して幸先のいいスタートを切ったが、7・28金沢では敗北。試合後にHAYATAはYO-HEYとタダスケをリングに残して一人でサッサと退場してしまった。ツンデレ気質のHAYATAが今後、YO-HEY&タダスケとどんな関係を築いていくのかも気になるところである。
さらに、7月31日の午後11時になって潮崎が胸椎第2棘突起骨折でエントリーされていた「N-1 VICTORY 2024」全戦欠場することが発表された。本人は「意地でも出ます」「前年度優勝している身としては出場しないわけにはいきません。義務を果たさせてください」とXでポスト。すでに団体内に波紋を広がって混乱状態となっているが、果たして潮崎の「N-1 VICTORY 202」出場はどうなるのか。風雲急を告げてきたNOAHの8月から目が離せない!
(文/週刊プロレス・井上光)
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