【N-1前半戦まとめ!】折り返しを迎える"灼熱の夏休み"「ABEMA presents N-1 VICTORY 2023」前半戦振り返り!
NOAHナンバーワン決定リーグ戦『N-1 VICTORY 2023』は前半4大会が終了。8・19札幌大会から後半戦に突入する。
その前に、8月6日(日)横浜武道館大会より開幕し、後楽園ホール大会3連戦を経た現状を振り返ってみたい。
【Aブロック得点状況】※8/11後楽園ホール大会終了時点
■ジェイク・リー 6点(3勝0敗)
■拳王 4点(2勝1敗)
■マサ北宮 6点(3勝1敗)
■ジャック・モリス 2点(1勝2敗)
■稲村愛輝 0点(0勝4敗)
■ティモシー・サッチャー 4点(2勝2敗)
■アダム・ブルックス 2点(1勝2敗)
■吉岡勇紀 4点(2勝2敗)
これまでの得点状況を整理すると、AブロックはGHCヘビー級王者ジェイク・リーの強さが何より際立つ。両ブロック通じて唯一の無傷3連勝で単独首位。これまでの公式戦は、どれも相手の持ち味を引き出したうえでの横綱相撲で、「王者のまま全勝優勝」の公約も一戦ごとに現実味を増している状況だ。しかも続く公式戦は“地元・北海道"となる札幌2連戦。地の利のなかでスタートできる“鬼に金棒"状態で後半戦を迎える。
その王者ジェイクを3勝1敗で追うのがマサ北宮。初戦こそDRAGONGATE吉岡勇紀相手に落としたものの、そこから怒とうの3連勝。何よりキーとなるのが後半戦初戦となるジェイクとの首位攻防戦(8・19札幌)で、ここで会心の一勝をつかめばあらゆる状況を一気にひっくり返すことが可能だ。
戦前のファン投票で“一番人気"の拳王選手は2勝1敗。アダム・ブルックスを相手にまさかの黒星スタートを強いられたが、その後は2連勝。失点的には北宮と同率2位でジェイクを追っている。
注目は新兵器の“拳王スペシャル"。柔術のオモプラッタを複合させた変型クロスフェイスロックで、2勝とも決め手となった。吉岡戦では相手の腕ごとコブラホールドのように巻き込む変化形を早くもみせ、フィニッシュの幅を広げながら優勝圏内につけている。
【Bブロック得点状況】※8/11後楽園ホール大会終了時点
■潮崎豪 4点(2勝1敗)
■中嶋勝彦 4点(2勝2敗)
■イホ・デ・ドクトル・ワグナーJr. 4点(2勝2敗)
■征矢学 4点(2勝2敗)
■稲葉大樹 2点(1勝2敗)
■サクソン・ハックスリー 4点(2勝2敗)
■ランス・アノアイ 4点(2勝1敗)
■安齊勇馬 2点(1勝2敗)
一方のBブロックは8選手中6人が2勝(勝ち点4)で並ぶ“超だんご状態"のまま前半戦を折り返した。失点的には初制覇のかかる潮崎豪、初参戦の“ワイルドサモアン三世"ランス・アノアイが首位タイ(1敗)で並んでいるものの、今後の星取り次第でいかようにも転がるまったく先の読めない状態となっている。
これまでの“印象度"の順位があるとすれば、真っ先に名が挙がりそうなのが征矢学だ。出場全選手が参加した開幕前夜の『N-1 RUMBLE』でまさかの優勝を果たすと、開幕戦では優勝候補の中嶋選手をも破ってみせ、後楽園を征矢コールで染め上げた。技としても新兵器の変型go 2 sleep(旋回落下式)が要所で機能。ランス・アノアイやサクソン・ハックスリーとの闘いを通じて“ワイルド"な血も騒ぎつつある状況で、後半戦での再爆発があっても何らおかしくない。
その征矢を公式戦で止めてみせたのが稲葉大樹。持ち前のど根性ファイトで食らいつき続け、執念勝利をつかんで今度は後楽園に稲葉コールが響いた。WRESTLE-1時代からその背中を追い続ける中嶋勝彦との一戦でも“あわや3カウント"を連発。またもや後楽園を稲葉コールに染め上げた。最後は敗れたものの、誰もがその“差"が縮んだと思ったばかりか、N-1を契機とした“覚醒"が期待されるところまで己を引き上げている。
“差を縮めた"といえば稲村愛輝も同じ。金剛時代にリーダーだった拳王、THE TOUGHを組む先輩・マサ北宮。二人の“兄貴分"を相手に後楽園をドッカンドッカンと沸かす連夜の熱闘を展開。もはや完全に対等な存在であると印象付けた。すでに4連敗でブロック突破は絶望的な状況だが、後半戦でいつ結果を伴う“爆発"を起こすかも焦点となる。
外国人勢の多士済々っぷりも鮮やか。N-1に向けてコブラツイストに磨きをかけてきたジャック・モリスは、グラウンド式の拷問コブラで稲村からギブアップ勝ち。ティモシー・サッチャーとの一戦は“ザ・レスリング"な深みある一戦で、奥行きを増す現状が改めて浮き彫りとなった。
ウィル・オスプレイやロビー・イーグルスと熱戦をつむいできたオーストラリアの実力者、アダム・ブルックスも開幕戦からポテンシャルの高さを発揮。拳王をいきなり破った。思い切りの良いアクロバティック・ファイトが持ち味で、何より気が強い。ファイティングスピリットあふれるファイトスタイルは日本との親和性も高そうで、後半戦も熱戦が期待される。ちなみにジャック・モリスに負けず劣らずの“イケメン"だ。
そして前半戦最後の一番となった8・12後楽園大会のメインイベントで強烈なインパクトを残したのがイホ・デ・ドクトル・ワグナーJr.。無傷連勝中だった潮崎を力でねじ伏せて圧巻勝利。“ワグナータイム"ともいうべき怒とうの畳み掛けにも磨きがかかる一方で、疑いようのない優勝候補の一角であると証明して、後半戦に突入する形となった。
改めてまとめると、Aブロックは一強ジェイクを追う北宮と拳王、Bブロックは竜騰虎闘な大混戦状態で前半戦を折り返した今年のN-1。夏の頂をめぐるサバイバルとなる後半戦は、NOAH4年4ヶ月ぶりの北海道開催となる8・19札幌大会からスタートする。
(文提供/プロレス格闘技DX 平木太郎)
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